企業がこぞって狙いを定めている「第二新卒」とは?

企業の熱い視線を集める第二新卒

よく「第二新卒」という言葉を耳にします。

企業がこぞって採用したがっている層として、ここ何年か注目されている人たちです。

実のところどんな存在なのか、どんな特徴があるのか、熱い視線が注がれている理由、採用する上での注意点などをまとめてみました。

第二新卒とはどんな人々か

「第二新卒」とは、特に明確な定義はないのですが「新卒で入社して3年未満の求職者」と言われている層です。年齢にすると25〜26歳の年代がこれに当たります。

新卒者が就職して3年程度で離職するケースが年々増えています。厚生労働省が毎年発表している大学新卒者の離職率統計によると、3年以内に離職する割合は約30%に上っています。

大学4年生の内定率は増加傾向にあるものの、就職活動期間の早期化・短縮化などで本当に自分に合った企業に就職できなかったことが大きな理由です。入社してみたものの「こんなはずではなかった」「期待していた仕事ではなかった」と感じ、転職を考え始めるのがだいたい3年後くらいなのです。

希望に満ちて入社した会社がブラックやグレーだったということも理由の一つに挙げられます。

第二新卒が抱えている転職理由はいくつかに絞られます。

第二新卒が抱えている5つの転職理由とは?

理由1:給与面での不満

最もわかりやすい理由です。「3年我慢すれば給料は上がる」とよく言われますが、先輩社員の年収を聞いて「そうはならない」と現実を知ってしまったケースです。

理由2:スキルアップしたい

今の仕事をしていては、自分が思い描くキャリアマップが実現できないと感じている人々です。もっとやりがいのある仕事をしたい、資格を取りたいという気持ちが優先します。

理由3:残業や休日出勤などが多い

残業手当・休日出勤手当が満額支給されるならともかく、サービス残業が多くなりがちでは転職意欲も高まります。手当が出ていたとしても、プライベートな時間を削られることが不満の原因となります。

理由4:職場の人間関係が悪い

上司・同僚とうまくいかない、周囲が不平ばかり漏らしている、派閥争いが酷いなど、入社してみないとそんな状況はわかりません。自分もそんな悪化した人間関係に巻き込まれてしまっていたら、次の職場を探したくなります。

理由5:会社の将来に不安がある

これも入社時にはわからないことです。入社3年も経てばいろいろな社内情報が耳に入りますので、この会社は大丈夫かという危惧が生まれます。

第二新卒が重宝がられる理由とは

まず、このグラフをご覧ください。

第二新卒を採用したい企業の意見

第二新卒を採用したい企業の意見 「マイナビ転職 中途採用状況調査」概要 ○調査方法/FAXにて回答 ○調査期間/2016年1月12日~2月12日 ○調査対象/1年間(2015年1月~12月)に中途採用活動実績のある企業 ( 回答社数652社) ※このレポートでは、第二新卒者を「社会人経験1~3年目の若手社員」と定義しています。

グラフでもおわかりのように、第二新卒の採用に前向きな企業は相当数増えています。

第二新卒の特徴は、ズバリ「社会人経験がある若手」であることです。

1〜3年間は会社員として働いていますから、社会人としての最低限のマナーが身に付いています。電話や敬語の基礎、仕事の進め方、トラブルへの対処などを一通りわかっていることは大きなアドバンテージです。

新卒を採用した際の教育コストを大きく節減できるわけです。

その一方で、ベテランとは呼べない経験年数でもあります。「即戦力」とまでは言い切れません。

だからこそ、柔軟性が買われるわけです。若いがゆえに型にはまりきっていない、能力のポテンシャルがある、という要素が注目されています。

中堅キャリアを持つ即戦力のベテラン層とは違い、どうにでも変えていける可能性があるのはとても魅力的です。

採用側としては、あなたの企業にどれだけ馴染み、社風に染まってくれるかを期待していることでしょう。彼らにしても、社風や企業風土に馴染む術を知っていますから、マッチングとしてはこれ以上の条件はないでしょう。

いわば、ウォーミングアップが済んでいる状態の人材を採ることができるのです。

第二新卒採用における注意点

第二新卒採用にはいくつかの注意点がある

第二新卒採用の注意点

第二新卒のメリットを述べてきましたが、もちろん不安要素もあります。短期間の勤務経験で転職をしたくなった理由や、本人の社会人としての適性などです。

採用面接では、これらを明らかにしていく必要があります。

面接時にチェックすべき3つのポイント

ポイント1:なぜ前の企業を辞めたか

新卒で入った会社を短期間で辞めてしまうのはなぜか──それを聞き出すことは重要です。あまりにも身勝手な理由を述べる場合は注意してください。あなたの企業でも同じ思いを感じ、またすぐに転職を考えかねません。

ポイント2:社風と合っているかどうか

社会人経験があるゆえに、勤務先の社風を知る力は持っています。しかし、面接で話を合わせることに長けているだけかもしれません。あなたの企業であるがままの姿を見せ、合うかどうかの反応を見てください

ポイント3:一緒に働く意思を見せているか

第二新卒は、ネガティブに言ってみれば「最初の就職の失敗」です。会社というものに絶望しているのかもしれません。転職の理由にも関連しますが、あなたの企業で良好な人間関係を築けるかどうかが重要ポイントです。同僚として働きたいというポジティブな意思を面接で確認してみましょう。

競合に勝ち、優秀な第二新卒者を集めるには

第二新卒は、会社に勤めながら求職活動をしているケースが多く見られます。まだ退職はしていない状態です。

ですから、求人情報をじっくり比較検討している時間があまりありません。分厚い求人情報誌を手繰って目当ての企業を探している時間もないわけです。

しかし、最初の就職で懲りていますから、次の会社が自分に合うかどうかは慎重に見きわめたいという意思も持っています。

この一見矛盾する状況を解決する方法はないものでしょうか。

求人情報誌や求人サイトを一瞥したくらいでは、本当に自分に合った企業を探すのは困難です。それらの媒体には同じような採用情報が満載されていて、その中から有益な要素を見つけるのは膨大な時間がかかるからです。

媒体の中に競合が多いわけですね。しかも、求人活動をしている企業全体で、70%が第二新卒採用の意思があるという調査があります。つまり、多数の競合の中で際立った訴求をしなければなりません。

それを解決する広告手法があります。

競合会社の求人情報に埋もれず、あなたの企業を訴求する広告とは?
求人広告のプロフェッショナルが数多くのケースから開発したテクニックとは?

下記で紹介されている書籍をご覧いただければ、その全貌が分かります。