建設業界は深刻な人手不足で青息吐息…打開策はあるのか?

建設業界に訪れている深刻な危機とは

人手不足が慢性化して、もう何年も経過しています。中でも特に深刻な業界のひとつが、建設業です。

東京オリンピックを控え、好調な業界なのになぜ労働者が集まらないのでしょうか。

根深い原因と、その深刻な影響について見ていきましょう。

建設業界の人手不足はバブル崩壊に原因が

かつての高度成長期、建設業界には多くの労働者が集まってきました。ビルや道路、インフラの建設が急ピッチで進み、募集をかければすぐに定員が埋まるのは当たり前のことでした。

現場を支える単純労働者はもちろん、高い技術力を持つ職人もそれぞれの現場でその技量を遺憾なく発揮していました。

しかしそれは、バブル崩壊までのこと。

建設需要や公共事業の急激な縮小、不況により従事する人員も削減され、労働者数そのものが減少していきました。

全産業に比べ建設業の人材不足は顕著

全産業に比べ建設業の人材不足は顕著 総務省:労働力調査より

グラフでおわかりの通り、1996年から2016年にかけて全産業の就業者数はほぼ横ばいであるのに、建設業は年々減少の一途をたどっています。

さらに、2001年に誕生した小泉政権では公共事業を縮小。建設業界の就業者数はさらに減少しました。

そして特徴的なのが、高齢化です。

50代以降の建設業従事者数はあまり変わっていないのに、20〜30代の労働者が減少しています。この業界に入ってくる若年層が減っているのです。

そのため、高齢者層の引退に伴い若年労働者の不足はさらに進行していくと思われます。

なぜ、減少しているのでしょうか。

休日が少ない、仕事がきつい、作業が危険といった、「きつい・汚い・危険」という典型的な「3K」業界であるといったことが最大の原因です。

若い人たちにとっても、現場へ行ったら年かさの先輩しかいない状況は、あまり面白くないでしょう。

建設業界の人手不足による深刻な影響とは

こうやって、建設業界での就業者数が減少を続けてきた時、2001年に東日本大震災が勃発しました。そして2013年、2020年の東京オリンピックも決定しました。

それらの需要に応えるため、建設業界が活気づきました。

しかし、縮小し続けた建設業界では既に働き手が減少していた、という問題に直面しました。

仕事があっても人がいない。そして、人が集まらない。

募集を行っても、3Kのイメージも強く残っているのでなかなか応募が集まりません。

人が集まらない原因は、その給与額にもあります。

例えば大型の公共事業であるなら大手ゼネコンが受注し、それを一次下請、二次下請け、三次下請けにまで降ろしていきます。つまり、多重構造。

当然のことながら、下に仕事が降ろされるごとに発注金額は減っていきます。末端の労働者に至るまでには、魅力的な金額とは言えなくなります。会社の規模による賃金格差が生じているのです。

しかも、公共工事費の積算に用いるための公共工事設計労務単価が、2012年頃までにずっと引き下げられてきたことも、現場へのしわ寄せとなって表れました。

この人手不足の影響で、「震災復興のプランは出来ているが、いつになっても被災者の住宅が完成しない」「東京オリンピックは決定したが、競技会場の建設が遅れてしまう」という事態が起こりかねません。

建設業界を救うための3つの施策

専門技術を持った人材が再び集まってくる業界に

専門技術を持った人材が再び集まってくる業界に

では、建設業界に再び人を呼び込み、危機を脱出するためにはどのような対応策が考えられるでしょうか。

1.給与体制の革新

建設業界では、週休二日制はまだ浸透していません。休日は日曜のみというケースが主流です。これは、雨が降ったら作業が休みになるという事情と関係があります。工期を守るためには雨で休み、土曜日も休んでいるわけにはいきません。

給与体系が日給月給である場合が多いので、作業が休みになるとその分収入が減ってしまうのです。

この日給月給制度を月給制に改め、休みが増えても手取りが下がらない仕組みにしていくことです。

2.技術者を積極的に迎え入れる

建設不況の時代に人が離れ、職人もいなくなったと上で述べました。一方で、大学で専門教育を受けた人材も不足しています。

マンションの杭打ち不良による傾斜問題、橋脚の落下事故など、技術的な問題が疑われるケースがいくつも発生しています。

技術者不足と言うより、技術軽視の風潮が根強かったのです。専門教育を受けた優秀な人材を積極的に招き入れ、彼らにとって魅力的な業界へと変えることです。

3.女性や高齢者を迎え入れる

今まで主流だった男性の労働力以外の層を発掘することも有効です。

男性社会への女性進出が進む中、建設業界も例外で居続けるわけにはいきません。

また、70歳以上の高齢者・準高齢者を労働力として迎えることも考えられています。

女性を迎える場合は、更衣室やトイレ、シャワー室などの用意が必要ですし、セクハラを抑えるための管理体制を確立しなければなりません。

さらに、力の弱い労働者でも作業が可能なように、ロボット技術などを使ったアシスト装置を開発することも急務です。


あなたの企業でこういった施策が実現すれば、すぐに人材が集まる──とは限りません。

魅力的に生まれ変わった職場のことを、求職者に向けて効率的に伝えなければ何にもなりません。

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