前回は、これから働く人が減り続け、採用は完全な奪い合いになる。だから余裕があるうちに、採用力を社内で育てる必要がある、という話をしました。
とはいえ、「求人内製化が必要なのは分かった。でも自分たちでやるのは、かなり大変そうだ」と思われた方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、AIの登場によって、求人内製化のハードルは一気に下がりました。 ただし、AIが求人内製化を代行してくれるわけではありません。
人の頭と手だけで進める求人内製化は、かなり重たい仕事でした
少し前までの求人内製化は、実際にかなり大変でした。
- 求職者を調べる
- 競合を調べる
- 自社の特徴を洗い出す
- 狙うターゲットを決める
- スタッフにインタビューをする
- 集めた情報を整理して、求人原稿や採用LPを作る
- 公開後も、結果を見ながら改善を続ける
これをゼロからすべて、人の頭と手だけで進めていました。
人事部のない中小企業が、普段の仕事をしながら取り組むには、かなり重たい仕事だったんです。
AIはターゲット候補を広げ、仮説の比較と整理を速めます
今は、ChatGPTをはじめとしたAIの登場によって、その重さを大きく減らせます。
例えば、ターゲット設定。自社の業種や仕事内容、社員の特徴、採用条件などを渡すと、経験者・近い業種・未経験でも適性がありそうな人など、自分たちだけでは見落としそうな候補まで幅広く洗い出してもらえます。
相性、競合の多さ、採用できる可能性、入社後の教育しやすさといった視点で、勝率が高そうな仮説を一緒に整理することもできます。
最終的に誰を狙うのかを決めるのは、人間です。ただ、最初から一人で候補を考え、一つひとつ比較するより、はるかに短い時間で仮説を作れます。
AIが出した魅力の仮説は、社員の事実で確かめます
自社リサーチでも、AIは役立ちます。
「少人数の会社です」とだけ書いても、求職者にとって良いことなのか悪いことなのかは分かりません。
会社の特徴をAIへ伝えると、なぜその特徴があるのか、社員は何を得られるのか、どんな求職者にとって魅力になりそうなのかまで、可能性を広げてくれます。
- 社長との距離が近い
- 意見を聞いてもらいやすい
- 幅広い仕事を経験しやすい
- 頑張りや変化に気づいてもらいやすい
こうしたベネフィット候補の中から、実際の会社に当てはまるものを選び、社員インタビューなどで本当かどうかを確認します。
AIが会社の魅力を勝手に作るのではありません。 「こういう可能性もあるのではないですか?」と、仮説を出してもらうのです。
AIとの往復によって、求人の仮説を深められます
求人内製化では、最初から答えが決まっているわけではありません。
会社の中にある情報を集め、どんな可能性が考えられるのか、誰に何を伝えるべきなのか、という仮説を作っていきます。
ネタが少ないときには可能性を広げてもらう。増えすぎたら似ている情報をまとめ、優先順位をつけて整理してもらう。整理した情報をもとに、さらにアイデアを出してもらう。
広げる。整理する。深める。このやり取りを繰り返しながら、最終的なアイデアを固めていけます。
インタビューの文字起こしや要約、求人原稿・見出し・広告文のたたき台、アイキャッチや図解の下書きまで、以前は複数の専門家へ依頼しなければ難しかった作業も、AIの補助を受けながら社内で進めやすくなりました。
AIへの丸投げでは、自社らしい求人は作れません
ただし、勘違いしてはいけないことがあります。
何の情報も渡さずに、「応募が集まる求人原稿を書いてください」とお願いしても、どこかで見たような求人になりやすいです。
AIは、与えられた情報をもとに答えを作るものです。だからこそ、正しい情報を集めて渡すこと。出てきた内容を確認し、使えるものを選ぶこと。誰に何を伝えるのかを、人間が判断することが大切です。
AIが求人内製化を代わりにやってくれるのではありません。 自社で考え、自社で判断し、自社で改善する仕事を、速く、深く、質を高めながら進めるための道具です。
そして、もう一つ重要なことがあります。求人内製化におけるAI活用の本当の価値は、作業の効率アップだけではありません。特定の担当者が持っている知識や経験を整理して、ほかの社員へ引き継げる形にできることです。
まとめ
求人内製化が必要なのは分かっても、自社でやるのは大変そう。そう感じていた時代の重さは、AIによって大きく下がりました。
ただし道具は、正しい情報と人間の判断があって初めて効きます。丸投げではなく、社内で考え続けるための加速装置として使う。それが、これからの求人内製化の現実的な始め方です。
求人内製化について詳しく知りたい方は、こちら から。
P.S. 最近は、求人のリサーチから文章、画像や企画の整理まで、何をするにもAIを使うようになりました。もう立派な「AIおじさん」です。AIに依存しすぎてはいけないと分かっていながら、便利すぎるので今日も普通に使っています。洗脳される前に、こちらが徹底的に使いこなしてやろうと思います。




