採用サイトのコンテンツ設計-応募数を約3倍に増やしたリサーチ事例

採用サイトのコンテンツ設計

採用サイトを作る上で、最も難しく、手間がかかり、面白いところは掲載するコンテンツを決めていく作業です。

優秀な求職者の心を動かし「ココで働きたい!」と思ってもらえるかどうかは、コンテンツ次第です。

うまくコンテンツ設計できれば、優秀な求職者からたくさんの応募を安定的に集められるようになりますが、失敗してしまえば、さっぱり応募が来ないといった結果にもなりかねません。

成果を出せるかどうかの全ての鍵を握っているのがコンテンツ。

そのため、掲載するコンテンツを設計していく作業はとても重要であり、時間をかけて念入りに取り組む価値のある作業と言えます。

ではどのようにコンテンツ設計していけば良いのか?

可能な限り失敗を防ぎ、最短で質の高いコンテンツを生み出すにはどうしたら良いのか?

このページでは弊社が行なっている採用サイトのコンテンツ設計とその事例を紹介していきます。

ココで紹介する手法に沿って採用サイトのコンテンツを決めていったことで、弊社のクライアント様は以前と比べて約3倍の応募数が得られるようになりました。

非常に手間がかかり面倒臭い作業のため、抵抗を感じるかもしれませんが、一つ一つじっくり読み込んで実践していただければ、確実に良質なコンテンツを生み出せるようになります。

ぜひ、参考にしていただければ幸いです。

採用サイトのコンテンツの良し悪しが決まる最も重要なリサーチとは?

どんなコンテンツを掲載すれば良いかは最初どんな人だって分かりません。また、求職者側の心理と会社側(経営者)の心理はだいぶかけ離れていることが多いので、憶測で掲載するコンテンツ程、はずれてしまう可能性が高いです。

ではどうすれば良いかと言いますと徹底的にリサーチをする必要があります。あなたの憶測や考えは全て捨て去り、まっさらな気持ちでリサーチを行なっていくと、質の高いコンテンツの元ネタが集まってきます。

リサーチというのは言わば料理をする上での食材(ネタ)のようなものです。ネタが腐っていれば、どんなに料理の腕前が良くても美味しくなりませんが、良質なネタであればさほど料理の腕前が良くなくても美味しく食べられますよね。

リサーチによって良質なネタをたくさん集めれば集めるほど、質の高いコンテンツを生み出せるようになり、質の高い採用サイトを作る土台を築けるようになります。

リサーチでコンテンツの良し悪しは全て決まってしまいますので、ぜひ、力を入れて取り組んでいただければと思います。

コンテンツ設計でリサーチする分野はなぜ3つあるのか?

3つのリサーチ分野採用サイトのコンテンツ設計する上でリサーチする分野は3つです。

1つ目が自社の考えや特徴などを調べる「自社リサーチ」、2つ目が同業他社や関連会社を調べる「マーケットリサーチ」、3つ目が会社に来て欲しい求職者を調べる「ターゲットリサーチ」になります。

なぜ、3つの分野に渡ってリサーチしなければならないかと言いますと、一つの分野だけでは不十分な情報だからです。また、それぞれの分野は他の分野にも影響してくるため、3つの分野全てをリサーチしないと求職者の心に響き、数ある会社の中から選んでもらえるようなコンテンツを生み出すことはできないからです

3つの分野すべてをリサーチするのにかける労力はあとで必ず報われますので、ぜひ、力を入れて取り組んでみてください。

失敗例1:マーケット(競合他社)リサーチを行わない

もし、手を抜いて3つの分野をリサーチしなかった場合、あとで手痛い目にあうことになりますので、ご注意ください。

例えば、自社リサーチのみでコンテンツをまとめて採用サイトを作ったとします。マーケットリサーチをしていないため、他の会社がどんな宣伝をしているのか把握していない状態です。

自社が発信する情報に自信を持っていてこれだけの条件であれば、絶対に応募は集まるだろうと思って求人を出したとします。

でも、一向に応募が集まらない。応募が来たとしても採用に至る人材ではない状態が続きます。

「おかしいな」と思ってマーケットリサーチで競合他社を調べてみたら、自分の会社よりも遥かに良い条件で求人を出している会社があることに気づき、一からコンテンツを作り直すことになってしまった例。

このように、事前にマーケットリサーチしていたら手間も時間も失わずに済んでいたと悔やむケースは意外と多いです。

失敗例2:ターゲット(求職者)リサーチを行わない

また、自社リサーチで自社の特徴や強みを明確にし、マーケットリサーチで他社との差別化も図ってコンテンツをまとめたのに、一向に応募につながらないケースもあります。

それは、求職者の心理を把握しないでコンテンツをまとめているケースです。

求人活動の目的は優秀な求職者からの応募を集めて採用することです。ですから、求職者がコンテンツを読んで「ココで働きたい!」と思ってもらえるかがもっとも重要です。

なのに、ターゲットリサーチで求職者のことを念入りに調べている会社は非常に少ないです。雇用する側とされる側では求めていることが異なることが多いので、雇用する側の一方的な主張では求職者の心を掴めなくて当然です。

例えば、経営者が「残業が増えても給料をたくさん貰えた方が良い」と思っていたとしても、実際は「ほどほどの給料で良いので、プライベートの時間を多くとりたい」と思っている求職者の方が多かった場合、思ったような成果には繋がらなくなります。

このような憶測や思い込みが外れることは多々ありますので、ターゲットリサーチでまっさらな気持ちで求職者を調べることはものすごく重要です。実際にやってみると強みだと思っていたことが強みでなかったり、逆にそこが強みになるんだ!と思うところが多々見つかりますので、結構面白いですよ!


このようにコンテンツを作る上でやってしまいがちな過ちは、一つか二つの分野のリサーチのみで終わらせてしまうケースです。

3つの分野をしっかりリサーチしないと独りよがりのコンテンツになってしまい、他社との差別化も図れず、求職者の心にも響かなくなってしまいますので、ご注意ください。

それでは、リサーチのやり方を各分野ごとに詳しく解説していきますので、一つの分野を理解したら即実践していただき、自分のモノにしていただければと思います。

リサーチ1. 自社リサーチで強みを明確にする

自社リサーチリサーチすべき一つ目の分野は自社リサーチです。自社リサーチは、会社内の求人に関連する情報を全て抽出する作業になります。自分の会社はどんな会社でどんな特徴があり、どのようなメリットを求職者に提供できるのかなどあらゆる視点でリサーチしていきます。

ポイントは自社が持っている情報を全て吐き出すことです。他の分野のリサーチを行なった時にバランスをとれば良いので、まずは良し悪し関係なく全ての情報を吐き出すことを優先していただければと思います。

リサーチする項目ごとに弊社が実際に行なった事例をお見せしますので、ぜひ、参考にして頂ければ幸いです。

リサーチ1-1. 募集要項に記載する情報は必須

まず、必ず必要になってくるのが募集要項です。

注意していただきたいところは、当たり前のことですが嘘偽りのない正確な情報を用意することです。今の日本は求人が集まりにくくなっているため、この当たり前のことができていない企業が増えています。同業他社よりも条件の良い求人を出して、とにかく騙して入社させれば良いという魂胆だとは思いますが、、、こんな詐欺のようなことしてはいけません。

政府も規制に動き出そうとしているぐらい横行しているので、事態は深刻です。

頭を使うんでしたら、詐欺まがいな行為ではなく、もっと別なところに使うべきです。募集要項に記載する情報が同業他社に劣っているのであれば、募集要項以外の情報でカバーしていけば人が集まる道を見出せる可能性はあります。正攻法で結果を出す道はありますので、募集要項は嘘偽りのない情報を用意するようにお願いいたします

募集要項の事例

  • 募集する職種
    理容師・美容師
  • 勤務地
    茨城県○○市○○町○○番地
  • 必要な資格やスキル
    理容師または美容師免許をお持ちの方
    カットができれば即戦力としてお迎えいたします。
    年齢・学歴は一切不問
    ブランクOK・第二新卒者の方もお気軽にどうぞ。
    独身の方はもちろん、主婦、子育てママ、お孫さんのいる方まで幅広く活躍しています。
  • 仕事内容
    カット専門店の理容師・美容師
  • 給与
    スタイリスト:時給1,000円
    ジュニアスタイリスト:時給850円~
    +諸手当+歩合給

    ※1時間の平均収入は1,300円程度
  • 休日
    希望相談OK! WワークOK!
    ※1日3h・週3日~OK!(土or日含む)
    ※有給・慶弔・産休・育児・介護休暇制度有
  • 待遇
    交通費全額支給
    各社保完備
    労災上乗せ保険
    業務上の損害賠償補償制度有
    各種研修有(就業時間内)

リサーチ1-2. 特徴を全てリストアップし整理する

募集要項だけでは味気のないコンテンツなので、より会社の魅力が伝わるように特徴をリストアップしていきます。特徴を全てリストアップしていくことで、会社のどこに魅力があるのかを見つけ出せるようになります。

ポイントとしてはできるだけ数値化して具体化することです。具体的な情報にすることでよりイメージが湧きやすくなり、信憑性が増し、応募の確率を高められるようになります。

リストアップした特徴の事例

  • 年数や店舗数
    例:全75店舗(茨城・栃木・千葉・福島)
  • 取引先や顧客数
    例:年間12万人以上のお客様が来店
  • 従業員数
    例:210名
  • 定着率
    例:90%以上
  • 職場環境
    例:従業員の仲が良い
  • 自慢できる待遇など
    例:本人だけでなく家族全員の医療費を全額補助。急な用事があっても自由に休める。

など。

このように手当たり次第にリストアップしていきます。これらの情報はパーツ毎に使うこともできますし、繋げれば文章にもできます。ちなみに文章にした場合は以下のようになります。

山本
茨城を中心に全75店舗、年間12万人以上のお客様に愛される会社です。210名の従業員に愛され、スタッフ間の仲も良いため、定着率は90%を超えています。待遇としては、社保完備だけでなく、家族全員の医療費が全額補助されるという珍しい待遇も用意しています。他にも急な用事があるときは自由に休めるなど社員の働きやすさを重視した環境を整えています。

リサーチをして具体的な特徴を洗い出しておくと、このように楽に質の高いコンテンツを生み出せるようになります。

リサーチ1-3. 1日の過ごし方を明確にする

求職者の立場にたってみれば、どのように1日を過ごしていくのか?は気になるところですよね。

何時に出社し、何時にお昼の休憩がとれて、何時に帰れるかを頭の中で映像が浮かびあがってくるぐらい鮮明にイメージしてもらえれば、入社する前に働いているような感覚を持ってもらえます。

以下のように時系列で見せてそれぞれのシーンごとに写真を掲載するとイメージが湧きやすいので、オススメです。

1日の過ごし方の事例

7:00 起床(朝は食べない派)。
7:30 家を出ます。
8:15 出社したら、窓を開けて掃除。
8:55 朝礼。
9:00  営業開始(朝が一番忙しい!)午前中に20名様来店。
12:30  昼食(コンビニ弁当が多い)
13:00 PCでスケジュール調整、連絡事項、回覧文書の作成など。
14:00 空き時間にカットの指導。ユニットマネジャーとして、スタッフが上達すると嬉しい。
19:20 営業終了、片付け。
20:00 PC業務を終えて退社。家に着いたら、まずご飯!会社の仲間と飲むことも

リサーチ1-4. 入社前の不安がどのように払拭されていくのかを明確にする

入社する前にはよほど肝が座った方でない限り、色々な不安を持っているかと思います。

人間関係の問題で会社を辞める人は多いので、新しい職場でも同じようなトラブルが発生しないかと不安を感じている人は多いです。また、未経験の方や他業種からの転職ですと、何もわからない状態からのスタートなので、不安だらけです。

そのような不安がどのように払拭されていくのか、どのような体制を整えているのかを事前に伝えておくと、不安が払拭され応募しやすくなります。

入社前の不安を払拭する事例

未経験でも安心!カットができるようになるまで丁寧に教えます!

理・美容師の資格は持っているけど、ブランクがあったり、男性の角刈りや女性のロングのカットに対して不安な方もご安心ください。
技術力が高いトレーナーがカットが出来るようになるまでマンツーマンで指導します。習得していないヘアスタイルのお客様に入って頂くような事は決して致しません。


スタッフ間の仲が良くてストレスが少なく働けます!

弊社ではコミュニケーション能力を高める研修を定期的に行い、スタッフ全員の人間力を高める努力を行っております。
また、色々なイベントや懇親会などで集まる機会が多くお互いに助け合えるアットホームな職場です。

リサーチ1-5. 求める人材像を明確にする

求人活動を行う目的は優秀な人材を採用することです。採用に至らない応募は極論を言ってしまうと必要ないとも言えます。

そのため、求める人材像を明確にしてその人が求めている情報は何かを把握しておく必要があります。ただし、あまりにも細かく条件設定してしまいますと該当する求職者が少なくなり本来の目的を果たせませんので、ご注意ください。

一番簡単な方法としては、今いるスタッフの中で理想的な方を数名選び、その方々をモデルにする方法です。実際に働いているので、間違いのない情報ですし、本人に聞けば色々教えてもらえるのでオススメです。

求める人材像の事例

  • 年齢
    40歳〜50歳
  • 性別
    女性
  • ライフスタイル
    子育てから手が離れて自由な時間が増えている。
  • 資格
    美容師 or 理容師
  • 技術
    カットができればOK。
  • 経験
    未経験でもOK
    若い頃に理・美容室で働いた経験のある方を優遇
  • 人格
    明るくて前向き。協調性のあってコミュニケーション能力に長けている方。

リサーチ1-6. 経営理念やビジョンを明確にする

経営理念は会社によっては無かったり、あってもお飾り程度のモノとしてしか機能していない会社もありますが、中には社員全員に浸透し、事業を行う上での指針にしている会社もあります。

そのような経営理念に基づいた活動を行なっている会社の場合、経営理念を伝えて共感してくれる人材は会社に貢献してくれる人材とも言えます。逆に共感してくれないとしたらミスマッチ採用となる恐れがありますので、経営理念がある場合は、必ず伝えていった方が良いです。

また、求職者によっては一生働き続けられる会社を真剣に探している方もいらっしゃいます。

一生働いてくれるということは、長く会社に貢献してくれる可能性の高い求職者とも言えます。そして、そのような方が気にしているのは会社が今後目指していく展望(ビジョン)になるのではないでしょうか。

会社のトップである社長が大きなビジョンを持ち全社員が共有しているからこそ、待遇云々度外視して楽しく長く働いてくれるものかと思います。

ですから、大きなビジョンを持っているのであれば、それは伝えていくべきです。動画を使うと特に効果的なので、社長からのメッセージとして動画を撮るのは非常に有効です。

詳しくは「採用サイトに掲載すると効果抜群な社長メッセージ動画の撮り方」で説明していますので、ぜひご確認ください。

リサーチ2. マーケットリサーチで競合他社との差別化を図る

マーケットリサーチ次に行うリサーチの分野はマーケットリサーチです。

マーケットリサーチでは同じエリアで求人を出している同業他社や関連会社の求人情報を調べていきます。つまり、同じ求職者を狙っているライバル会社を調べるということになります。

なぜ、このようなことをやらなければならないかと言いますとそれは、求職者の奪い合いに勝つためです。

求人活動はゼロサムゲームなので、他の会社に奪われてしまったら、もう二度と自分の会社には来てくれません。

人の価値というのは、6つの経営資源である「金、人、物、情報、時間、知的財産」の中で最も高いと言われています。そして、今後の少子高齢化の影響で、優秀な人材は少なくなりますので非常に貴重な存在です。

優秀な求職者に選んでもらうためには、他社と差別化を図る必要があります。そのためには、求職者の奪い合いになると思われる同業他社や関連会社のことをしっかり把握する必要があります。

敵を知らなければ、何の対策も立てられません。事前にしっかりリサーチして現状をしっかりと把握してみてください。

リサーチ2-1. 主要な求人媒体に広告を出している同業他社や関連会社をチェックする

調べる会社の見つけ方は簡単で主要な求人媒体をチェックしていけば、すぐに見つけられます。

チェックする媒体は以下の7媒体で十分です。求人募集するエリアと職種で企業を絞り込み、1社1社チェックしていきます。

この中で最も手強い会社はリスティング広告に広告を出している会社になります。

リスティング広告は現状、最も費用対効果の高い宣伝手法になりますので、採用サイトを作って独自に宣伝している会社があれば、その会社が一番応募を獲得しているはずです。あとでガチ対決することになりますので、求職者が検索すると思われるキーワード検索も一通り行なって、表示されている広告文とクリック後に誘導される採用サイトは念入りに調べる必要があります。

調べた情報は、各会社毎に求職者が気にすると思われるポイント毎に点数をつけていくと比較しやすいです。

A社

  • 給料:6点
  • 勤務時間:6点
  • 休日・休暇:8点
  • 諸手当:2点
  • 待遇・福利厚生:4点
  • 職場環境:5点

B社

  • 給料:4点
  • 勤務時間:3点
  • 休日・休暇:8点
  • 諸手当:4点
  • 待遇・福利厚生:7点
  • 職場環境:6点

C社

  • 給料:3点
  • 勤務時間:6点
  • 休日・休暇:7点
  • 諸手当:6点
  • 待遇・福利厚生:6点
  • 職場環境:7点

リサーチ2-2. 情報を整理して、自社が勝てる差別化されたポジションを見つけ出す

上記で調べた情報はエクセルなどでわかりやすく管理していくと、自社のどの部分を強みにすれば選ばれやすくなるかが見えてきます。

例えば、自社よりも高い給料を出している会社が他にあるとしたら、給料の高さを強みにしたとしても選ばれないですよね。

でも、働く環境の良さが他の会社よりも優っていれば、お金よりも働きやすさを重視した求職者に選ばれるようになります。

このように強みというのは、他社と比べてより優れているという部分ではなく、他社とは「違う」優れた部分を見つけた方が選ばれやすいです。

自社と他社の両方を分析して、どこを強調すべきかをしっかりリサーチして見つけ出してみてください。

強み分析事例

強み分析の事例

リサーチ3. ターゲットリサーチで求職者の心理状態を把握する

ターゲットリサーチそれでは、最後のリサーチ分野「ターゲットリサーチ」についてお伝えしていきます。

ターゲットリサーチの重要性はあまり浸透していませんが、質の高いコンテンツを作るためには、このターゲットリサーチが全ての鍵を握っていると言っても過言ではありません

なぜなら、採用サイトの目的は優秀な求職者からの応募を集めることだからです。

優秀な求職者がどんなことを求め、恐れているのかを知っていなければ、どんな事を伝えれば心に響くかが見えてきません。それに、会社側(経営者)と求職者側では求めている事が異なるケースが多いです。

ミスマッチ採用を起こさないためにも、憶測や思い込みは全て捨て去り、まっさらな気持ちでリサーチしていかなければなりません

リサーチする方法としては、ターゲットに直接インタビューするか、ネット上で情報を集めるかのどちらかか両方でリサーチしていくことになります。

リサーチ3-1. スタッフに直接インタビューする

一番簡単かつ効果的なのは、今いるスタッフにインタビューする方法です。上記でお伝えしている「求める人材像で明確にしたスタッフ」に直接インタビューしていきます。

リサーチ3-1-1. 必ずターゲットとなるスタッフにインタビューする

注意して頂きたいのは、ターゲットに該当しない人にはインタビューしないことです。

人の心理というのは、職種、年齢、性別、ライフスタイルによって全く異なります。男性と女性では価値観も趣味・嗜好も全く異なりますし、世代によっても価値観は全く異なりますよね。

つまり、インタビューする相手次第で拾い上げる情報が全く異なりますので、スタッフ選びは慎重に行う必要があります。

やってみると分かるかと思いますが、同じような職種、年齢、性別、ライフスタイルを送っている人は大体同じような悩みや願望を抱いています。共通して持っている悩みや願望を知ることは求職者の心に響くコンテンツを作る上で何よりも重要な要素となります。

リサーチ3-1-2. アンケート用紙に書いてもらう手法はやってはいけない

弊社のクライアント様にターゲットリサーチを勧める際には、よく「アンケート用紙に書いてもらうのはいかがですか?」と相談されるのですが、最初の段階ではそれはやめた方が良いです。

というのは、アンケートにしてしまうと、空いた時間に片手間で書く人が多いため、真剣に答えてくれなくなるからです。それに「こうゆうこと答えて欲しいんでしょ」と思われながら書かれてしまうため、情報に振り回されることにもなります。

真実かつ良質なネタを得るためには、いちいち面倒臭いと思うかもしれませんが、直接インタビューして深掘りしていくしかありません。顔を見て聞いていけば、表情や声のトーンで何を求めているのか、何が嫌なのか、何に不安がっているのかが手に取るように分かるようになります。

リサーチ3-1-2. 事前に質問項目を用意しておく

何事も準備は大切ですので、インタビューする際には事前にシミュレーションして質問項目を用意しておきましょう。

どんな事を聞けば良いかは後述しますが、相手になりきってシミュレーションしておくことはとても重要です。

きっとこうゆうことを言ってくるだろうなとアタリをつけて、実際にインタビューしてみると「えっ!こんな風に思っているんだ」と感じるポイントが多々見つかります。自分の憶測や思い込みにはこんなにも間違いがあるのかと気づけるのでとても勉強になります。

リサーチでコンテンツの元ネタを集めた後は、実際にメッセージをまとめていく作業に入りますが、自分の考えがあっていたところと間違っていたところをしっかりと認識していないと求職者の心に響くコンテンツは作れません

事前にシミュレーションして自分の頭の中を整理しておきましょう!

リサーチ3-1-3. 動画もしくはボイスレコーダーで記録する

実際にインタビューする際には、可能であれば動画撮影の許可をもらっておくと、いろいろと使えるようになりますので便利です。

YOUTUBEにアップすれば、採用サイトに動画を埋め込めますし、SNSで紹介できますし、メールやLINEで知らせることができます。

そして何より動画は、テキストや音声よりも高い反響が得られます

なぜ動画が効果的なのかと言いますと、視覚と聴覚の両方で訴えられるからです。顔の表情や声のトーン、ボディランゲージで多くの情報が伝わってきます。それに、俳優や女優のようになかなか素人は演技できませんので、嘘をついていれば大体表情でわかります。本当のことを言っているかどうかを動画で判断できますので、信憑性の高い情報として伝えられます

また、動画には音声も含まれますから、音声だけ抽出して利用することもできますし、文字起こしをすれば、チラシやパンフレットなどの紙媒体にも流用できます。

ただ、顔出しするのには抵抗があるという方がいるのも事実です。嫌だという人に無理に撮影することはできませんので、その時は別な手段をとらざるを得ません。

もし、動画の許可がもらえなかったとしたら、ボイスレコーダーで記録してインタビューすることをオススメします。

間違ってもメモのみでインタビューするのは避けるようにしてください。書くことばかりに集中してしまい、肝心の話しに集中できなくなる可能性が高いです。

必ず、動画か音声で記録しながらインタビューするようにお願いいたします。

リサーチ3-1-4. リラックスして話せるように配慮する

次にインタビューする環境づくりを行なっていきます。

インタビューをする理由をしっかり伝える

インタビューをする相手にはしっかりインタビューする理由を伝えないと気持ちよくインタビューに応じてくれません。ましてや動画をネット上に公開するというのは、インターネット上に顔出ししていろんな人に見られるわけですから、最初は大抵嫌がります。

なぜ、スタッフインタビューをすることになったのか、そして、なぜあなたに動画撮影をお願いしたいのか?をわかりやすく伝える必要があります。

会社のことをもっとよくしていきたい!自分のことが認められていると思ってもらえれば、快く撮影に応じてくれるスタッフさんは結構多いです。

説明の仕方の例としては、こんな感じです。

山本

うちの会社は今、求人に人が集まらなくなっていて困っている状態です。このままだと今いるスタッフさんへの負担が増えてしまい、会社はどんどん衰退していってしまいます。

そのため、求人活動に力を入れて取り組むようになりました。その中の一つとしてスタッフインタビュー動画を撮ろうと思っています。仕事探しをしている求職者にとっては、検討している会社で働いているスタッフの生の声は気になると思うんです。文字だけの場合、いくらでも編集ができてしまいますが、動画の場合は顔の表情や声のトーン、ボディランゲージで本当のことを言っているかそうではないかはハッキリとわかります。信憑性の高い情報として捉えてくれるでしょうから、とても効果的だと思うんです。

そして、○○さんのような方に来てもらいたいので、○○さんのインタビュー動画を撮らせていただきたいと思っています。こちらから質問することに対して答えていただくだけで良いので動画撮影に協力して頂けませんか?

このように伝えると大体OKしてくれます。

良し悪し関係なく本音で話してもらう

インタビューする際に心がけて頂きたいのは本音で話してもらうことです。リサーチで集めるネタは本音だからこそ、価値があります。嘘偽りのある情報を取得しても全く意味がありませんので、そこは注意してください。

そのためには、良いことだけでなく悪いことも遠慮なく全て話してもらうように最初に約束します。最初は緊張して固い表情で話していても、慣れてくるとリラックスして話してくれるようになります。

まずは自己紹介から始まって雑談を交えながら話をしていくとスムーズに本題に入っていけるかと思います。

リサーチ3-2. Q&Aサイトで調べる

インタビューするスタッフがいなかったり、スタッフインタビューでは十分な情報が得られなかった場合は、インターネットで調べていきます。

使えるサイトはYahoo知恵袋教えて!GooなどのQ&Aサイトです。

Q&Aサイトで質問しているということは、自分では解決できない悩みや願望があるからこそですよね。そして、回答している人も同じ境遇を経験した場合が多いので、やりとりしている内容で求職者の心理状態をある程度は把握することができます。

Q&Aサイトにアクセスすると上部に検索ボックスがあります。そこに業種や職種などのキーワードを入力して検索するとキーワードが含まれた質問が一覧で表示されます。

情報量が多すぎて求めている情報にたどり着けない場合は、キーワードを追加して検索し直しますと情報が絞り込めます。

例えば、「美容師」だけの検索ですと、美容室を利用している人の質問も多く含まれますが、「美容師 カット専門店」で検索すると、カット専門店で働く美容師さんの質問にだいぶ絞り込まれます。

リサーチ3-2-1. Q&Aサイトでリサーチする上での注意点

注意していただきたいのは、調べている内に他の情報に目がいってしまい情報に振り回されてしまうところです。インターネットの世界は広告がたくさんあり、ネットを見ている人の注意を引く情報で溢れかえっています。気をつけていないと、いつのまにかネットサーフィンしてしまい多くの時間を無駄にしてしまうといったことがよく起こります。

これを防ぐためには、調べる前に誰をターゲットにして何を調べるのか目的を明確にしておく必要があります

目的を明確にし、集中して調べていると、他の情報はシャットダウンされ、目的の情報だけが自然と浮かび上がってくるようになります。

意識するかしないかだけの違いですが、かなり効果的ですので、情報に振り回されて作業が進まない場合はぜひ参考にしてみてください。

リサーチ3-3. 求職者の心理を3つの分野「BDF」で調べる

では、肝心のどんな情報を調べていくのか?といったところをお伝えしていきます。

ターゲットリサーチで調べる内容は「BDF」です。BDFとは何かと言いますと「Belief」「Desire」「Feeling」の頭文字からとっています。Beliefは思い込み、Desireは欲求、Feelingは不安や恐れになります。

それぞれ詳しく解説していきます。

リサーチ3-3-1. Belief(思い込み)は使い勝手の良い情報になる

Beliefで集める情報は求職者が信じていることになりますが、この情報はとても強烈です。

人の思い込みや常識だと思っていることはなかなか変えられないですよね。その人が信じていることを無理に変えようとするものなら、大概の人が怒ります。

ですから、何を信じているのかが分かってくると、使い勝手の良いネタを集められたということになります。

例えば、理・美容室でしか働いたことのない理・美容師さんがカット専門店に抱くイメージは、短時間でカットしなければならないので「カットが雑」という印象を誰しもが抱いています。美・理容室では何十分もかけてカットしていたのに、10分程度でカットしなければならないのですから当然ですよね。

そして、この背景には、雑にカットするから「お客様にしっかり向き合ってこだわりのあるカットはできない」という思いが込められています。

そうゆう思い込みがある中、「当店では時間制限なしでお客様に向き合ったこだわりのカットができます!」と伝えたとします。そうすると、「えっ!」と思わせて注意を引けるようになりますよね。

逆に「カット専門店は時間制限があるから、カットが雑だと思っていませんか?」「でも当店では…」と伝えれば、ラポールを築いた上で他のお店とは違うというアピールをスムーズに伝えられるようになります。

このように、求職者が何に対して思い込みがあったり、常識だと思っているのかを把握しておくと注意を引くキャッチコピーを作れたり、共感を得られるメッセージを伝えらたりするので、使い勝手の良いネタになります。

リサーチ3-3-2. Desireは求めていること

Desireは「欲求」ですので、求職者が求めていることを調べていきます。

給料、勤務時間、休日、仕事内容、待遇、手当、職場環境、職場内の人間関係など、理想的な状態は具体的にどんな状態なのか?そして、プライベートはどうなりたいのか?を聞いていきます。

若い男性の場合、家を持つことを夢にしている人も多いですし、主婦の場合、子供を中心に考えている人が多いので、仕事だけでなくプライベートのことも絡めて理想的な状態はどんな状態かを聞いていきます。

中途採用の場合、比較対象が前の職場になりますので、前職の時に起きていた問題が解決される職場を求めているケースが多いです。

スタッフインタビュー動画は証拠として強力な武器となる!

前職と比べて今の職場の方がはるかに楽しくやりがいを持って働けている場合は、入社する前と後でどのような変化があったのかを詳しく聞いておくと非常に有効なネタになります。

なぜなら、実際に働いているスタッフの生の声は、強力な証拠になるからです。

会社側が一方的に伝える情報というのは、いくらでも嘘が書けますし、今は求人詐欺も増えているため、求職者は掲載されている情報を信用していません。どうせ、応募を獲得するために大げさに書いてるんでしょ。と疑ってかかってきています。

でも、実際に働いているスタッフさんが満面の笑みで自分の言葉で話している動画が掲載されていたとしたら、もう信用せざるを得ないですよね。

たまに、原稿を読み上げているかのようなスタッフインタビュー動画を見かけますが、それでは効果はありません。

スタッフインタビュー動画で最も効果的なのは、証拠として活用している時です。求職者が得られるメリットを実際に働いているスタッフのみなさんはちゃんと得ているのか?それを証明するために活用しないといけません。

求職者が何を求めているのかを把握した上でその求めていることが全て手に入れられる会社が求人募集しているということであれば、反応しない方がおかしいですよね。

リサーチ3-3-3. Feelingはニーズを喚起させる

Feelingは直訳すると感じることですが、ココでは不安や恐れを調べていきます。

前職で抱えた不安や恐れを探る

まず、不安や恐れをリサーチしやすいのは、前職を辞めた理由です。どんな理由で辞めたのかは人によって様々ですが、何人かに聞いていくと大体同じような問題で辞めているケースが見えてきます。

業界特有の問題もありますが、やはり多いのは人間関係の悩みが一番です。次に労働時間や環境に不満を感じて辞めているケースが多いです。

一通りのリサーチをやり終わって、前の職場や業界平均と比べて自社内に突出して優れた部分があれば、そこはアピールできるポイントになります。

例えば、リサーチした結果、人間関係で辞めている人が多く同じような思いはもう二度としたくないと思っていることがわかったとします。そして、会社内の定着率を調べてみたら、90%を超えていたのであれば「定着率90%以上で働きやすい職場」とアピールできるという事になります。

未経験の不安や恐れを探る

また、全く未経験者を募集する際には、非常に多くの不安や恐れを抱いています。

例えば、カット専門店で働いたことのない美容師さんの場合、角刈りなどのカットの経験がないため、男性カットがちゃんとできるのか不安を感じています。逆に理容師さんの場合は、レディースカットの経験が少ないため、女性のカットが心配になっています。

業種・業態・職種によって抱えている不安や恐れは変わりますので、それぞれの立場の人ごとに念入りに調べていく必要があります。

また、全く業界未経験の方の場合、会社内の誰にどのような指導を受けてどのぐらいの期間で独り立ちできるのかを例を出しながら詳しく説明していかないとイメージできないため、不安を払拭させられません。