ホームページやチラシ、パンフレット、ポスター、のぼり、看板など…
何かの制作をデザイン会社に依頼する際、あなたが思い描いている事を美しく表現してほしいと願っているのであれば、特に問題ありません。
でも、もし、作ってもらったモノで大きな結果を出して欲しいと願っているのであれば、残念な結果になる事は覚悟しておく必要があります。
デザイン会社が結果を出せない3つの理由
僕自身、デザイン業界で20年近く働いていますので、クライアントが求めている事もデザイン会社で働いているデザイナーの気持ちもよく分かっているつもりです。
クライアントはデザインのクオリティだけを求めて依頼してくださる方もいらっしゃいますが、どちらかと言うと制作物そのものよりも制作物によって得られる結果を求めている人の方が多いです。
例えば、求人であれば質の高い求職者からの応募が欲しいと思っていますし、集客であれば、質の高い新規客が欲しいと思っています。
でも、デザイナーの場合、結果を出す事に焦点を当てて努力をしている人は一握り。
ほとんどのデザイナーは自分自身が行うデザインの事しか頭にない状態です。
そして、それこそがクライアントに結果を提供できない理由となっています。
理由1:多くのデザイナーはデザイナーから称賛される事を目指しているから
多くのデザイナーが求めているのは、クライアントが本当に求めている結果を実現させて喜んでもらおうと思っているのではなく、自身が制作するデザインが多くのデザイナーに評価される事を求めています。
例えば、デザイナー協会「JAGDAなど」の賞に選ばれたり、デザイン関連の本に掲載される事で自身の知名度を上げる事を目指しています。
これはこれで素晴らしい事ですし、否定はしませんが、問題なのは、賞に選ばれたり、本に掲載されている作品が大きな結果を出している訳ではないという事です。
賞に選ばれる基準は斬新で見た目が優れたデザインである事、そして、東京オリンピックのロゴ佐野研二郎氏の問題で明らかになったように、審査員とのコネクションがあるかどうかが大きなポイントになっています。
こんなのは、広告で結果を出せるかどうかに全く関係のない話です。
でも、依頼する方としては、賞に選ばれたり、本に載っていたり、知名度の高いデザイナーだったら、良い結果を出せるのではないか?と勘違いしてしまいがちです。
理由2:多くのデザイナーはデザインのスキルしか磨いていないから
デザインの世界はこだわればこだわるほど、終わりのない世界です。
一つの仕事を行う際には何案、何十案ものアイデアを練り、複数案に絞り込んで、そこからさらにバリエーションを出して検証し一つの作品を完成させていきます。
その過程はとても時間がかかり、神経をすり減らすものです。
さらに、たくさんの作品を見てインスピレーションを磨いて、時代に沿ったデザインを表現できなければなりません。
トップレベルでデザインの仕事を行うというのは、ストイックになってデザインの事を突き詰めていかなければいけないため、他の事に力を注ぐ余裕なんてとてもありません。
それに、残念ながら多くのデザイナーは優れたデザインを作れていれば、結果を出せる!と思い込んでいるところがあります。
気づきが得られない間は残念ながらいつまでたってもそのデザイナーに結果は求められないでしょう。
理由3:多くのデザイナーは薄利多売のスタイルになっているから
デザイナーは独立すると大抵個人事業主として一人で働くのですが、ほとんどの場合、広告代理店から仕事をもらうというスタイルをとります。
要は自分は営業をしないで、下請けとして継続的に仕事をいただくというスタイルです。
このスタイルで働いていますと、制作物を作り上げていく際に直接やりとりするのは、広告主ではなく、広告代理店の営業マンになります。
広告代理店の営業マンは前の記事でも書きましたが、基本的には媒体に広告を掲載してくれる広告主を集める事がメインの仕事になるため、制作物にこだわらないケースが多いです。
現にフリーペーパーなどの広告の料金体系なんて広告掲載料はとても高い設定になっていますが、広告のデザイン料はスズメの涙程度です。
本来、広告に掲載するメッセージとデザインで反応がとれるかどうかが決まるため、内容を決める際には多くの時間を費やさなければならないのですが、料金を下げる事でそんなに重要ではないという印象を持たせるようにしています。(ホント、どうかと思いますよ。。)
こうなると、広告代理店の下請けとして働くデザイナーはどうなるかと言いますと…
質より量を重視するようになります。
単価が安ければ、量を増やさなければ食べていく事はできません。
当然、結果を出すためにキャッチコピーをどうすべきか?とかデザインをどうすべきか?などと考える余裕なんてなくなります。
そもそも、デザイナーは直接広告主とやりとりしている訳ではないため、広告主が何を求めているのか正確に把握していない状態で制作を進めていきます。そのため、広告代理店の営業マンに言われるがまま時間内にただ形にするだけのやっつけ的な仕事になり下がる訳です。
これは業界の常識ではありますが、常識だからといって対策を放棄してはいけません。
広告で結果を出したいと思っているのであれば、広告主はこの事に危機感を感じなければなりません。
業界の常識は常識ではないのですから。。
結果を出せる広告の専門家を探し出す
このような悪しき業界の常識から抜け出し、結果に繋がる制作物を作り上げていくには、本物の人材を見つけ出す必要があります。
結果を出せる広告の専門家はデザインだけでなく、マーケティングやコピーライティングの事も把握していなければなりませんし、時代時代で変わる広告のテクニックにも精通していなければなりません。
また、知識に精通しているだけでなく、たくさんの経験を積んでいて、実績をあげてなければなりません。
また、スムーズにやりとりするためには、コミュニケーション能力に長けている人でないとダメです。
このような要素を満たしている方はごく少数ですが、全くいないという訳ではありません。
ぜひ、探し出していただければと思います。