求人広告を出す目的は、どんな会社も大なり小なり一緒です。
「できるだけコストをかけずに、ほしい求職者からの応募を集めていい人材を採用したい!」と思って求人広告を出されるかと思います。
でも、実際の成果の方は年々、費用対効果が悪化している会社が増えています。
中には応募がまったくないため「何も残らない空気のようなものにこれ以上お金は払えない!」と求人広告を出すのを止めてしまい、ハローワークのみで求人活動している会社も多いです。
ただ今は人手不足の時代です。当然、ハローワークだけで十分な成果を得るのは難しいです。
特にあまり人気のない建設・運輸・介護・警備・飲食などの業種はハローワークではたいして応募が得られないという声をよく聞きます。
ハローワークで成果を出せないのであれば、求人広告をうまく活用して人集めしていく必要があります。
ただ、一つの媒体にたくさんの同業他社が求人広告を出している中、なんの戦略もなしに広告を出すのは無謀そのものです。
ですから、この記事では求人広告を出す際に注意すべき事。そして、求人広告を出す前に絶対に取り組むべき事をお伝えします。
「可能な限りお金を無駄にせず、大きな成果を出したい!」と思っている経営者さんや採用担当者さんは是非じっくりご覧ください。
求人広告でよく見かける4つの間違い
今は人口減少によって求職者の数が減り、人手不足で求人の数が増えている時代です。
昔と比べて競争が激しくなっているので、求人広告をただ出すだけでは思ったような成果は得られなくなっています。
これでは「応募が入らないだろう…」と思われるダメな求人広告の出し方がありますので、ご紹介いたします。
間違い1:求める人材像を定めていない
今の有効求人倍率はバブル期を超えて43年ぶりの高い水準です。求人の数も年々増えているため、求人媒体の中には大量の求人情報が溢れかえっています。
求める人材像を定めずに曖昧に求人広告を出していては、反応する求職者はまずいないと思って間違いありません。
間違い2:適切な媒体を選択していない
今はネット社会です。高齢の方でもスマホでネット検索して仕事探しする時代です。
そんな中、昔ながらの求人チラシや求人誌にしか広告を出していなければ、費用対効果の高い成果が得られなくて当然です。
求人サイトも多様化しており、様々な選択肢がありますので、ほしい求職者がよく検討している求人サイトを選ばなければ、効率よく応募を集めることはできません。
間違い3:求職者の立場で考えていない
今は会社が求職者を選ぶのではなく、求職者が会社を選ぶ時代です。
間違いなく売り手市場なのですから、会社側からの一方的な思いや希望しか伝えていなければダメです。
求職者の立場で何も考えていない内容であれば、軽くスルーされてしまいます。
間違い4:求人広告の内容がバラバラで一貫性がない
複数の求人媒体に広告を掲載しようと思って、複数の求人広告の代理店に依頼すると、求人広告の内容がバラバラになりがちです。
複数の媒体をチェックして応募してくる求職者もいるのですから、情報に一貫性がないと不信感を与えてしまい、応募に繋がりにくくなります。
なぜ、間違った求人広告を出す会社が後を絶たないのか?
年々、人手不足が深刻になっていることが様々なメディアで伝えられています。
時代は大きく変化し、深刻な社会問題になっているというのに、求人広告会社は昔ながらのスタイルをほとんど変えようとしていません。
求人広告業界において「餅は餅屋」という言葉は残念ながら通用しません。
求人広告会社の役割は単なる宣伝ツールを販売しているだけ。
広告の費用対効果を高める役割は担っていないことを肝に命じておく必要があります。
理由は以下の通りです。
求人広告の代理店はあくまでも代理店。媒体を販売する事が仕事。
広告で費用対効果の高い成果を出すには、PDCAサイクルを回して広告を育ていく必要があります。
最初のプランの段階では、求める人材像を明確にして、会社の強みを見つけ出して、競合他社との差別化を図って、会社独自の魅力的なメッセージを作り出していく必要があります。
そして、広告を出したら、パフォーマンスをチェックしてダメな部分を改善していくというプロセスでPDCAサイクルを回していきます。
求人媒体によってはレポートの提出をしてくるので、一見PDCAを回しているように感じるかもしれません。
でも、実はどの求人媒体のレポートも重要な情報が欠けているので、問題点を見つけ出すことができません。
つまり、見せかけだけのレポートだということです。
ですから、PDCAサイクルを回して広告を育てるなんてまず無理。
費用対効果はまったく高まらずに、同じパフォーマンスの広告を永遠と掲載し続けるだけです。
ですから、求人広告の代理店がやっていることは求人媒体を販売しているだけに過ぎないということになります。
そもそも、求人媒体はどれこれも、お金をかけられる会社が目立つ仕組みになっています。
予算が限られている中小企業は、いくら知恵を働かせたところで限界があるということです。知名度があって、予算が豊富な大手に求職者を根こそぎ持っていかれるというのが求人媒体の基本構造だということです。
「求人活動=求人媒体」は求人広告会社によって作り出された間違えた常識
そもそも求人活動を行う際に、求人媒体を利用するのが当たり前だと思わせているのは、求人広告会社が作った間違えた常識です。
CMや車内吊り広告で毎日のように宣伝されれば、誰だって洗脳されてしまいます。
でも、別に求人媒体を使わなくても人を集めることは可能です。
このことに気づいた会社は求人媒体を使わない求人方法で仕組みを作り、求人媒体しか使っていない時と比べて、はるかに費用対効果の高い成果を出すことができています。
でも、ネットに疎かったり、広告の知識がなければ自然と求人媒体に掲載するでしょうし、知名度の高い媒体であればきっと応募が来ると思いますよね。
それが彼らの狙いだということです。
- 人集めしたいなら求人媒体を利用する。
- 応募がほしければ広告費をたくさんかけるしかない…
と思われるように情報操作しているのがこの業界の手口です。
広告で成果を出す上で、お金をかけられるかどうかは一つの要因に過ぎません。
長期的に見れば、知恵を働かせて改善を繰り返す会社が有利になっていくものです。
でも、求人広告業界は、費用対効果を高めるための改善を行いづらい状況を作り、お金をかけなければ応募が入らない仕組みを作り上げています。本当にいやらしさこの上ないと感じてしまいます。
これからの激しい人材の奪い合いに生き残っていくには、もう求人媒体に頼るのはやめて、まっとうな広告運用のやり方を学んでいかないと搾取され続けるだけです。十分注意してください。
求人広告を出す前に「勝てる戦略」を立てる事が大事
求人広告で大きな成果を出せるかどうかは、広告を出す前の戦略でほぼ決まります。
勝負は始まる前から決まっているということです。
勝つべくして勝つには、以下の3点をしっかりと準備する必要があります。
求める人材像を明確にする
まずは求める人材像を1人に絞り込んで明確にします。この1人に絞り込むというのが重要です。
「1人にしたらまったく応募が集まらないんじゃないの?」と思われる方が多いのですが、それはまったくの逆です。
1人に絞り込むことで具体的な情報が得られるようになり、多くの人に響く求人広告を作れるようになります。
たとえば、2人の子供を持つ45歳の主婦が求める人材像だったらどうでしょう?
主婦は扶養の範囲内で働きたいと思っている人が多いでしょうし、子供中心の生活でしょうから、子供が学校などで怪我をした時に気軽に休みがとれる職場が良いと思っている人が多い傾向にあります。
ですから、自ずと伝えるべき内容が決まりますよね。
でも、20代〜40代の男女、誰でもOKとターゲットを幅広く設定すると何を伝えたら良いのかサッパリ見えてきません。
たくさんの求人情報の中で目立たせるには、ターゲットは1人に絞り込んで具体的な情報を伝える必要があります。
具体的な情報は脳の意志力を使わずにすぐにイメージすることができるので、多くの人を惹きつけるようになるということです。
役割ごとに適切な手段を選択する
求人媒体を選択するではなく、役割を分けてそれぞれで手段を選択する点に注目してください。
求人で人集めをするのは何も求人媒体だけではありません。他にも色々な手段があります。
注意してほしいのが、木を見て森を見ない状態にならないようにすること。
ほしい求職者からの応募を集めるという目的を達成するためには、森全体を見て役割ごとに適切な手段を選択することを強くオススメします。
例えば
- きっかけを作る役割
- 応募に繋げる役割
- 思い出してもらう役割
それぞれで適切な手段を選択することで、効率よく応募を集めることができます。
森全体を見て、役割ごとに適切な手段を選択した事例
僕がクライアントさんに提案している手段は以下の通りです。
- きっかけを作る役割
リスティング広告を使って、狙っている求職者が仕事探しでネット検索した時に検索結果一覧の上部に広告を出す。 - 応募に繋げる役割
採用ホームページに誘導して、求職者にとって魅力的な情報をたくさん見てもらう。 - 思い出してもらう役割
リスティング広告のリマーケティング広告で追いかける広告を出して、再度思い出してもらって応募を検討してもらう。
といった具合です。
森全体を見られるようになると、役割ごとに対策を立てられるようになります。
きっかけを作る役割が足りなければ、indeedを活用してもっと多くの求職者にアプローチするといった選択もとれるようになるということです。
木を見ている状態だと、結果を出しづらい
応募を集める目的を達成しづらいのは、一つの手段で達成しようとするケースです。
求人媒体を使えば、一つの手段で簡単に応募を獲得できるように感じますが、それぞれの役割を十分に果たせていないので、目的を達成できない可能性が高いです。
今は求人媒体が多様化して、一つの求人媒体しか見ない求職者はとても少なくなっています。
それに、求人媒体を見ずに、採用ホームページを見て応募する求職者もたくさんいます。
つまり、一つの手段のみで簡単に結果を得ようとすると、一向に目的を達成できず、結局は遠回りになってしまうということです。
最短距離で目的達成したいのであれば、森全体を見て、それぞれの役割ごとに適切な手段を選択するのが賢い進め方です。
適切な手段の選択には、過去に書いた記事も参考になるので、ぜひ、ご覧になってみてください。
勝つための準備を念入りに行う
求める人材像を明確にして、適切な手段を選択したら、ほとんどの会社はすぐに求人広告を出すという行動をとります。
これは大きな間違いです。
準備8割という言葉あるように、求人広告においても準備は何よりも大事です。
では、どんな準備をするのかいうとリサーチを行ないます。
リサーチは何かというと、ネタ集めのことです。
料理に例えると素材集めになります。
いくら料理の腕が長けていても、素材がダメだったら、美味しい料理は作れないですよね。
これは求人広告でも一緒です。
コピーライティングの技術があっても、伝える素材が無かったり質が低ければ、良質な求人広告を作ることなどできません。
ですから、すぐに結果を出したいという気持ちを抑えて、質の高い素材集めの作業を行なって準備を整えます。
リサーチする分野は3つ
- 競合他社
- 会社
- 求職者
同じ場所に広告を出している競合他社はどんな会社かを知ることで、差別化を図るポイントを見つけ出すことができます。
会社と求職者のことを念入りにリサーチすることで、求職者が求めていることと会社が持つ強みがマッチする部分がどこなのかが見えるようになります。
広告においての基本は相手ベースです。
求職者が求めていることをベースにして、情報をまとめていかないと応募につながる確率を高められません。
ですから、求職者に関わる情報をたくさん集めることに多くの時間を費やしていきます。
このリサーチ作業を念入りに行って準備を万全にすれば、人材の奪い合いに勝てる可能性が飛躍的に高まります。
以上が戦略を立てる際に行う作業になります。
求人広告を出す前に勝負が決まっている理由がよくわかって頂けたのではないでしょうか?
伝説的な広告マンの一人であるクロード・ホプキンスは「広告は科学」と言っています。
つまり、広告で成果を出す原理原則を学び、正しいプロセスで進めていけば選ばれるのは偶然ではなく、必然であるということです。
闇雲に求人広告を出すのではなく、成果につながる正しいプロセスを知ることが大切
ネットで情報を集めていると、どの業者も成果が出ている事例をたくさん掲載しています。
どれもこれも良さげな感じがするので、どの業者を選んだら良いのかよくわからない状態になっているのではないでしょうか?
ネット上にはいくらでも嘘を書くことができます。
怪しい業者もいっぱいいますよね。当然、この記事も怪しみながらチェックしている状態かと思います。
でも、それで良いんです。実際、業界全体で情報操作しているのですから。
ただ、僕があなたに是非、知っていただきたいことは、成果につながる正しいプロセスです。
プロセスはごまかすことができません。
- ビフォーアフターでこれだけ変わった。
- これだけ成果が出た。
- 実績豊富!
- しかも無料!
などと魅力的な言葉を並び立てたとしても、正しいプロセスで進めていなければ、どれもこれも偽物の業者だということです。
つまり、正しいプロセスを知ってしまえば、もう二度と悪質な業者に騙されなくなります。
お金と時間を無駄に失わずに、最短距離で成果を出したいのであれば、ぜひ、以下で紹介している書籍をご覧いただき、費用対効果の高い正しい取り組み方を知ってください。