2008年のリーマンショック後、タクシー1台当たりの収入は急落し、多くのタクシー会社が危機的状況に陥りました。それでも2010年以降はほぼ横ばいに推移し、ここ数年では外国人旅行者の増加の影響でタクシー需要は回復しつつあります。
でも、いまだタクシー会社の経営は厳しいです。一番の原因になっているのが人手不足。
保有している車両数に見合った乗務員を集められず、稼働率の低下を余儀なくされています。東京のタクシー会社では2009年の規制強化で年々稼働率は減少していき、2017年には76.8%を記録してます。過去最低の稼働率です。
さらに、人が足らないと乗務員さんは強くなり、わがままになっていきます。車がいつも余っていると「俺今日休んで明日乗るよ」と言われたり、事故を起こしても「どうせ辞めさせられないでしょ」と足元を見られたり、管理したくてもできない状況に陥ります。
全ての元凶は人が集まらないから。
人さえ集められれば稼働率は改善し、乗務員の管理もできるようになります。でも、多くのタクシー会社は思ったように採用できずに苦しんでいます。このまま人手不足の問題を改善できなければ、最悪、台数を減らすか、身売りしなければならなくなります。
では、なぜ、タクシー業界には人が集まらないのか?そしてどうすれば今の厳しい採用難から脱却できるのか?
実際に私のクライアントのタクシー会社は1人当たり約7万円で安定採用できるようになり、年間15名も純増させています。求人のやり方を変えれば、この厳しい採用難の時代を生き残っていくことは不可能ではありません!
どのような流れで成果を出していったのかもご紹介していますので、是非、参考になさってください。まずは、年々応募が入らなくなってきている本当の原因に気づいていただければと思います。
タクシー業界が人手不足になっている根本的な理由
運転手が高齢のため、毎月一定数、辞めていくから
タクシー業界の平均年齢は59.4歳。今は70歳以上まで働く人もいますが、若い人と比べたら働ける期間も時間も限られてしまいます。さらにタクシー運転手は年配の仕事というイメージが強いため、応募してくる人も50代~60代が多いです。
そのため毎月のように、病気やケガ、免停などで長期の欠勤をしたり、退職する運転手さんが必ず一定数出てきます。
辞めていく人以上の応募が集まれば問題ないですが、ほとんどのタクシー会社は辞めていく人以上の人数を集められず、稼働率をどんどん減少させているのが実情です。
タクシー業界のイメージが悪く、就職先の候補にあまり入れてもらえないから
タクシー運転手の待遇や労働環境は他の業種と比べてもそんなに悪くないどころか、高収入が得られるチャンスがあり、自由な時間を多くとれるので、人によっては魅力的な仕事です。
でも、世間が持つタクシー運転手のイメージはとても悪いです。政府や大手がイメージアップのために若者や女性でも働けるように改革してくれているおかげで多少は改善されてはいますが、まだまだイメージの悪さを完全に払拭できていません。
ではどんなイメージを持たれているのか?良いイメージを持ってもらうには、まずはどんなイメージを持たれてしまっているのか?を知ることが先決かと思いますので、タクシー業界に対して世間がどのようなイメージを持っているのかを調べてまとめさせていただきました。
ぜひ、今後の求人活動の参考になさってください。
素行の悪いタクシー運転手を過去に見た経験からイメージが悪い
タクシー運転手は基本的にギャンブル好き。車内で煙草をふかして競馬新聞を読んでいたり、休んでいる時に車の窓から足を出して寝ているといったイメージ。
過去に見かけたタクシー運転手の悪い印象で業界全体が悪く思われている傾向にあります。人によっては社会の底辺の仕事だと思われていますので、過去に素行の悪さから抱かれてしまったイメージの悪さは深刻とも言えます。
中高年が最終的に行き着く就職先で低収入のイメージ
タクシー運転手として働いている人の多くは高齢者です。世間のイメージとしては、他にやれる仕事がないので、タクシー運転手の仕事を選んでいる。だから、給料が少ないと考えている人もいます。
私も取材する前は収入が多いイメージは持っていませんでした。でも、実際調べてみると、人によっては大きな収入が得られますし、自由な時間もたくさん作れるので今はとても魅力的な仕事だと感じています。
ですから、知ってもらうきっかけさえ作ることができれば、タクシー未経験の方を集めることは大いに可能だと思います。実際、私のクライアントさんは未経験の方からたくさんの応募を得ていますから。
いつ失業するかわからない不安定なイメージ
それともう一つ収入面で不安を感じるポイントとしては、歩合の占める割合が大きいところ。
最低保証の給与は20万円もいかない会社が多いので、もし、売上を上げられなかったら底辺の生活になります。特に未経験の方は安定して給料を稼げるかとても不安を感じるでしょう。
そのため、タクシー会社は研修終了後、3ヶ月間は給与を保証するといって不安を払拭させています。これだったら安心ですね。
資格が必要でハードルが高いイメージ
タクシー運転手として働くには、専門的な資格がないとできないというイメージを持っている人もいます。実際、タクシー運転手としてデビューするには、第二種運転免許を取得しなければいけません。
でも、今のタクシー会社は、どこも普通第一種免許を持っていれば、タクシー運転手として必要な資格を会社負担で全て取得することが可能です。それに、勉強している間は給料も貰えますので普通に生活できます。運転が特別に苦手という人でなければ、それほどタクシー運転手として働くまでのハードルは高くはありません。
こういったこともイメージを払拭させて聞く耳を持ってもらえれば、特に問題になる部分ではないかと思います。
過酷な労働環境のイメージ
タクシー運転手の基本的な働き方は隔日勤務で朝8時に出勤して翌日の4時まで仕事をします。
休憩時間は3時間ありますが、実働時間は約16時間です。2日分の仕事をするので、翌日は休むといった働き方になりますが、このような働き方は一般的ではないので大変そうだとか過酷だな。と感じる人は多いのかもしれません。
でも、これも考え方次第です。2日分を1日に凝縮した働き方になるので、月に休める日数は他の職業と比べてかなり増えます。夢に向かって取り組んで自由な時間を多くとれる仕事を探している人にとっては最適な職場環境とも言えます。
誰に何を伝えるかをしっかりと考えて情報発信していけば魅力的な仕事だと思われる可能性はとても高いです。
求人広告会社任せのタクシー会社は生き残れない3つの理由
色々調べた結果、タクシー運転手はイメージの悪さの影響が強く世間に誤解されている職業なのではないかと感じています。
人によっては、とても魅力的な仕事であることは間違いありません。
ですから、適切な求職者に対して適切なメッセージを伝えることができれば、確実に応募は集められると思います。
でも、多くのタクシー会社は求人広告会社に丸投げしているだけ。競合他社と同じような情報しか掲載していません。これでは全く成果を出すことはできないでしょう。
それに、たとえ他社と異なるメッセージに変えたとしても求人媒体を使っている限り、大した成果は得られません。
なぜなら、求人媒体には、大きな問題が潜んでいるからです。求人のプロだと思って求人広告会社に任せている会社が多いとは思いますが、求人媒体を使っているだけでは、今後、費用対効果が悪化することはあっても、良くなることはありません。
まずそのことに気づいていただくのが先決です。では、求人媒体では大して成果を出せない理由を3つご紹介しましょう。
理由1:人口減少と求人媒体の多様化で一つの媒体を見る求職者が激減しているから
今後の日本は人口減少で求職者の数が減っていくことは確実です。さらに、求人媒体の多様化で数えきれないぐらいの媒体が存在するようになりました。当然、媒体が増えれば、一つの媒体をチェックする求職者の数は減っていきます。
掲載している求人を見る求職者が昔と比べて激減しているのですから、昔と同じパフォーマンスは当然、出せなくなります。
でも、求人媒体の料金体系は昔と変わりません。つまり、費用対効果は年々悪化していくことが確実だということです。
私のクライアントのタクシー会社もご相談をいただいた時には、求人の費用対効果がかなり悪化している状態でした。住み込みで募集する際には、高齢の方が対象なのでネットよりも紙媒体の方が良いだろうということで地方の求人誌や折込チラシで募集していましたが、、、月40万円、年間480万円もかけているのに、思ったように集まらないといった状態でした。
お金をかけても何も残らない空気のようなものにこれ以上かけられないと仰っていましたが、まさにその通りだと思います。お金ばかりかかって何も生み出さないものにはお金をかけるべきではありません。
理由2:競争が激化し熾烈な条件合戦になっているから
求人サイトは大体どんな業種にも専門サイトが存在します。
当然、タクシー業界にも専門の求人サイトがあります。
人気のあるタクシー専門求人サイトは、多くの求職者が集まっているかもしれませんが、そのサイトの中にたくさんの求人が掲載されているので、ガッツリ比較検討されることになります。
だいたいどの会社も求人の見せ方に変わりはありませんので、多くの求職者は条件面で会社を選ぶことになります。当然、採用できなければ各社生き残っていけませんので、熾烈な条件合戦が繰り広げられています。
- 入社祝金:30万円
- 給料保障:6ヶ月33万円
- 貸付制度:15万円
- 家賃補助:3年間(最大72万円)
- 最高歩合:68%
などとどんどん条件が吊り上っています。業者に支払うコストだけでなく、諸経費もぐっと高まり、経営を圧迫している状態です。
それに、条件勝負は資本力が豊富な大手が有利な戦略です。余裕がなくなったらその時点で終わりです。全部一位を目指してたら潰れてしまいます。
また、このような条件の良さで入社してくる人の質はあまり高くありません。もっと良い条件の会社を見つけてすぐに去ってしまう可能性大です。
それと、もう一つこのような専門サイトにはタクシーの仕事に興味を持っている人しか集まらないという大きな問題があります。タクシーを検討していない人にタクシーの仕事をやりたいと思ってもらえなければ、多くの採用につなげることは難しいです。
理由3:成功報酬型の紹介では数がとれないから
最近では、人がほしいタクシー会社とタクシー運転手として働きたい求職者をつなげる業者が出てきました。
タクシー運転手として働いた経験と実績を持つ人がタクシー運転手になりたい人を集めて、売上を上げるノウハウを教えて育てあげた上で紹介してくれるので、即戦力として採用することができるというものです。しっかりとサポートしてくれるので、入社してから辞める人が少ないというメリットもあります。
紹介料はそれなりに高額になりますが、空気を売られているような感じではないので、安心感はあります。
ただ、このようなスタイルの場合、安定した数は見込めません。
タクシー会社が抱える大きな問題は辞めていく人以上の人材を集めなければいけないというところです。年間に数人で大丈夫な会社であれば問題ありませんが、何十人も集めなければ稼働率を維持できない会社は、とても数が追いつきません。
それに大量に採用したら採用コストが高くつき、経営を圧迫することにもなります。
求人媒体を使わない方法で1人7万円のコストで安定採用している実例
上記をご覧になっていただいて、求人媒体の利用は、資金力豊富な大手に有利な戦略であり、中小企業には厳しい戦略であることがわかっていただけたのではないでしょうか?
このまま、求人広告会社に頼った求人活動をしていれば、近い将来、台数を減らすか、身売りの可能性が高まることは間違いないでしょう。
この問題を全て解決するには、求人媒体を使わない方法に取り組むしかありません。
費用対効果の合わない求人媒体への掲載は求人媒体を使わない方法でしっかりと結果を出せるようになってから止めていけば良いのです。
実際に取り組んだ私のクライアントさんの成果をご紹介いたします。
- 期間:2017年10月21日〜2018年10月21日
- 広告費:2,814,820円
- 採用人数:月平均3.4名(年間41名)
- 採用コスト(一人当たり):68,654円
タクシー業界の人材紹介は現在1人当たり40万円が相場ですが、なんと80%以上も安く採用できています。
この期間で退職したのは26名なので、純増15名です。稼働率も大幅にアップしています。
私がサポートする前は、月に40万、年間480万円かけてまったく乗務員を増やすことができていなかったのに、今は広告費を大幅に削減して純増までさせているわけですから、ものすごい成果ですよね。しかもパフォーマンスは1年以上経っていますが、未だ全く落ちていません。
ではどんなことを行っていったのか?具体的な取り組み方をご紹介します。
ステップ1:求人媒体を使わない求人方法の存在を知る
まずは、求人媒体を使わない方法とは一体どんな方法なのか?その詳細を知ることが先決です。頭の中で具体的にイメージできなければ、人は誰しも形にできません。
一番手っ取り早いのは業者に相談して教えてもらうことですが、残念ながらこの方法を正確に教えられる業者はとても少ないです。多くの求人関連業者は求人媒体の掲載料で利益を得ていますので、求人媒体を使わない求人方法は天敵であり、知られて欲しくない方法です。
求人広告業界全体で隠されている方法でもあるので、業者に頼っても教えてもらえないどころか、間違った情報を吹き込まれる可能性が高いです。
ですから、あなたが独自に調べて情報を集めるしかありません。いろんな方向から情報収集して間違いのない情報は何かを見つけ出してみてください。
もちろん、当サイトでも知ることができますので、よろしければ参考になさってください。
ステップ2:正しいプロセスで仕組みを作り上げていく
圧倒的な成果に繋げる求人方法が何かわかったら、次はそれを形にしていくステップに入っていきます。広告の世界においてとても難しいのは、やればそれだけで成果を出せるものではないところです。
スポーツでも料理でもなんでも一緒ですが、初心者とプロが存在するように広告の世界でも同じ方法に取り組んで成果を出せない人もいれば、ものすごい成果を出す人もいます。
何が違うかというと経験の違いもありますが、何より違うのは、どうすれば成果を出すことができるのか?そのプロセスを知っているか知っていないか?の違いです。
料理の世界では、腕が悪くてもレシピがあればそれなりの料理が作れるようになりますね。
広告の世界も一緒です。レシピがあれば、誰でも成果を出せるようになります。なので、成果を出せるレシピ(プロセス)を学ぶ必要があります。
ステップバイステップで教えてくれる人や教材で学んで正しく実践していくことができれば、大きな成果に繋げることができるようになるでしょう。
ステップ3:費用対効果の悪い求人媒体を全て排除し、最適化をやり続ける
正しく実践して大きな成果を出せるようになったら、今まで大して成果を出せていない求人媒体の掲載はすべてストップしていきます。
これだけでもものすごく費用対効果は良くなりますが、忘れてはいけないのは市場はどんどん変化していくところです。常に広告のパフォーマンスをチェックして、最適な状態を維持しておかないとどんどんパフォーマンスは悪化していきます。
これを行うには、社内で広告のパフォーマンスを常にチェックできるようにしておくことがベストです。このようなスキルを身に付けるのはそんなに難しいことではありません。
タクシー業界では常に人集めしなければいけないのですから、広告のスキルアップに時間とお金を投資するのは必要不可欠な投資と言えるのではないでしょうか?
そのための知識が学べる書籍を書かせていただきました。
以下から申込めますので、ぜひ、ご覧になってみてください。