求人内製化に取り組むと、会社の弱点まで見えてきます

前回は、求人で身につけた力が、商品やサービスの集客にも横展開できるという話をお伝えしました。

今回は、求人内製化に取り組むもう一つの価値です。

求人内製化を進めると、求人の問題だけでなく、会社の中にある問題まで見えるようになります。

結論から言うと、求人内製化のPLANは、求人のためのリサーチであると同時に、会社の健康診断にもなります。

PLANで見えるのは、強みだけではない

求人内製化では、最初のPLANに最も力を入れます。

まず、ターゲットとなる求職者を調べます。実際に働いている社員へインタビューし、入社前の悩み、求めていた働き方、会社を選んだ理由、入社後の変化を聞きます。

次に、そのターゲットが比較検討する競合他社を調べます。募集条件、打ち出している強み、教育制度や働き方の違いを見て、求職者から見たときに競合が選ばれる理由を明らかにします。

そのうえで、自社を掘り下げます。会社や仕事の特徴、その特徴が生まれた理由、入社した人が得られる結果や変化まで、一つずつ確認します。

ここで比較するのは、次の3つです。

  • 求職者が求めていること
  • 競合他社が提供していること
  • 自社が現在、提供できていること

この3つを並べると、自社の強みだけでなく、選ばれるために改善しなければならない弱点まで、はっきりと見えてきます。

だから、PLANは求人を作る前の準備作業であると同時に、会社の状態を測る健康診断にもなります。

では、弱点が見えたとき、何が起きるのでしょうか。

比較すれば、選ばれない原因が見えてくる

例えば、ターゲットとなる求職者が「入社後にきちんと仕事を教えてもらえる会社で働きたい」と考えていたとします。

ところが、自社には研修制度がなく、教え方も現場の社員任せになっている。

一方、競合他社には、研修内容や入社後の教育スケジュールがきちんと用意されている。

この状態で比較されたら、自社が選ばれにくいのは当然です。

求職者が求めているものを自社が提供できていないのであれば、求人原稿の書き方を変えるだけでは解決しません。

  • 研修制度を整える
  • 教える内容を統一する
  • 相談できる担当者を決める

会社の仕組みそのものを改善する必要があります。

求職者が悩んでいることや求めていることに対して、解決できる強みが社内にないのであれば、新しく作っていく必要があります。

PLANへ取り組むことで、求人の問題だと思っていたことが、実は会社側の問題だったと分かるようになります。

ただし、弱点が見えたときに、それを隠して求人だけ良く見せる選択もあります。そこに落とし穴があります。

弱点を隠して応募を集めても、長くは続かない

会社の弱点が見つかったとき、そこを隠して魅力的に見える求人だけを作ることもできるかもしれません。

しかし、実際より良く見せて応募を集めたとしても、入社したあとに「聞いていた話と違う」と思われてしまいます。

その結果、ミスマッチが起こり、せっかく採用した人がすぐに辞めてしまう。

これでは、応募を集めることに成功しても、求人に成功したとは言えません。

求人コピーは、会社の問題を隠すためのものではありません。見つかった弱点を改善し、実際に提供できることを正直に伝えるためのものです。

会社の状態を変えずに、言葉だけを良くしようとしても、入社後の現実までは変えられません。

では、弱点が見つかったとき、どう動けばよいのでしょうか。

求人を作る前に、会社を改善する

PLANで弱点が見つかったら、求人を作る前に、できることから改善します。

求職者が勤務時間に不安を感じているなら、働き方を見直せないか考える。

評価が分かりにくいのであれば、評価基準を整理する。

入社後の教育に不安があるのであれば、研修内容や引き継ぎ方法を整える。

すべてを一度に完璧にする必要はありません。

改善すべきことを把握し、できることから実際に変えていくことが大切です。

会社を改善したうえで、その事実を求人へ反映していく。

そうすれば、見せかけではない本当の強みとして伝えられます。

今いる社員も働きやすくなり、新しく入社した人とのミスマッチも減っていきます。

求人原稿を直す前に会社を整える。この順番が、定着につながる求人内製化です。

この流れを繰り返すと、求人内製化は応募集めだけの取り組みではなくなります。

求人内製化は、会社を良くする仕組みにもなる

求人内製化で行うのは、求人原稿を社内で作ることだけではありません。

  • 求職者を調べる
  • 競合と比較する
  • 自社の強みと弱点を知る
  • 足りない部分を改善する
  • 改善した事実を求人で正直に伝える

この流れを繰り返すことで、求人と会社の両方を改善できるようになります。

会社が良くなれば、求職者から選ばれやすくなる。入社した人が長く働きやすくなる。そして、その実績が、次の求人で伝えられる新しい強みになります。

求人を改善することが、会社の改善につながる。

会社の改善が、次の求人の成果につながる。

この循環を作ることができれば、求人内製化は、単に応募を集めるための取り組みではなく、会社そのものを良くしていく仕組みになります。

まとめ|求人内製化は、会社の健康診断でもある

求人内製化の価値は、応募を集めることだけではありません。求職者・競合・自社を調べることで、会社の弱点まで見えるようになることです。

弱点を隠して言葉だけ良くしても、入社後の現実は変わりません。

求人を作る前に、できることから会社を改善する。

その事実を正直に伝える。

この順番を繰り返すと、求人も会社も一緒に良くなっていきます。

P.S.

会社の健康診断について書きましたが、40代半ばを過ぎた頃から、自分自身の老化も強く実感するようになりました。来年1月には、僕も自分自身の健康診断を受ける予定です。最近はサプリを飲み、ジムにも通っているので、おそらく大丈夫だと思っています。……と言いながら、結果を見るのはかなり怖いです(笑)。健康意識だけは過去最高なので、数字も一緒に改善していることを祈ります。

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ABOUT US
山本 猛
株式会社スタッフソリューションの代表。 1978年茨城県水戸市生まれ。 企業が求人を業者任せにするのではなく、自社で求人を理解・判断・改善し、コントロールできる状態をつくる「求人内製化」を支援しています。 求人で成果を出すプロセスを「9ステップメソッド」として体系化し、検索広告を求人に活用する「ジョブリスティング®」と組み合わせ、これまで300社以上の求人を支援してきました。