前回は、求人内製化で身につけるべきなのは求人を作る技術ではなく、自分たちでPDCAを回し改善を続ける力である、という話をしました。
9ステップメソッドでは、最初のPLANでターゲットやポジショニング、求職者へ伝えるメッセージを明確にします。求人の勝敗は、求人原稿や採用LPを作る前のPLANでほぼ決まります。
ところが多くの求人業者は、この一番重要な作業にほとんど力を入れません。どうしてなのでしょうか。
結論から言うと、求人業者がPLANに力を入れないのは、丸投げできず、すぐ商品化しにくい仕事だからです。
PLANは、求人業者へ丸投げしても完成しない
求人媒体や人材紹介は、結果が早く見える
求人業者へ依頼する会社の多くは、できるだけ早く応募を集めたいと考えています。
求人媒体へ掲載する。人材紹介会社から候補者を紹介してもらう。こうしたサービスなら、お金を払ったあと、応募が来たのか、候補者を紹介してもらえたのか、採用できたのかが、比較的早く目に見えます。
PLANには、会社側の理解と判断が必要
一方で、ターゲットを決める。求職者や競合、自社について調べる。何を伝えれば自社が選ばれるのかを考える。こうしたPLANは、業者へすべて任せれば完成する仕事ではありません。
会社の経営者や社員と何度もコミュニケーションを取り、内容を確認しながら進める必要があります。業者が提案した内容を、会社側が受け入れられないこともあります。
特に、今まで狙っていた人ではなく、別のターゲットへ変更した方がよい、という提案は、会社にとって大きな決断です。業者から言われただけでは、簡単には変えられない会社も多いと思います。
なぜ変える必要があるのか。今のターゲットではなぜ成果が出にくいのか。新しいターゲットにはどんな可能性があるのか。会社側も学び、納得したうえで、自分たちで判断する必要があります。
PLANは会社側の理解と判断がなければ完成しないため、求人業者へ丸投げできません。
その結果、業者は、すぐに提供しやすい求人媒体や人材紹介を販売するようになります。 これも一つの市場の原理だと思います。
求人業界には、PLANを体系的に学ぶ場所がほとんどない
もう一つの理由は、PLANの作業を体系的に教えてくれる場所が、ほとんどないことです。
デザインだけでは、結果は出なかった
僕は多摩美術大学でデザインを学びました。ただ、広告で成果を出すためのPLANについては、何一つ教えてもらえませんでした。当時の僕も、成果を出すうえでPLANが最も重要だとは、まったく気づいていなかったんです。
その重要性に気づいたのは、独立したあとでした。クライアントから成果を求められる中で、デザインをきれいに仕上げるだけでは結果は出ない、という現実にぶつかりました。
そこから独学でマーケティングやコピーライティングを学び、リサーチをして、誰を狙うのか、何を伝えるのか、なぜ選ばれるのか。制作前のPLANを組み立てることが、何よりも重要だと分かるようになったんです。
求人業者自身も、PLANを学ぶ機会が少ない
多くのデザイナーは、学校で教わったことをベースに仕事を始めます。良いデザインを作れば結果が出る、と思っている人も少なくありません。
求人広告代理店の営業担当者も、求人媒体の仕組みや掲載方法には詳しくても、リサーチやポジショニング、コピーライティングを使って成果までの全体を設計できる人は、ほとんどいません。
PLANを学ぶ機会がないため、求人業者自身もその価値に気づきにくいのです。
大手は社内でPLANを作れる。中小企業は作れない
中小企業には、PLANを考える担当者がいない
大手企業の場合は、マーケティングや企画を行う人が社内にいることがあります。大手企業は社内でPLANを固め、外部には制作だけを依頼できます。 だから、外部のデザイナーがデザインだけを担当しても、仕事として成り立ちます。
しかし、多くの中小企業には、PLANを専門的に考える担当者がいません。
- 誰を狙うのか
- 競合と比べて、何を強みとして伝えるのか
- なぜ自社が選ばれるのか
そこが決まっていない状態で、求人原稿や採用LPをきれいに作ったとしても、再現性高く成果を出すことはできません。
だから中小企業こそ、制作の前にPLANから取り組む必要があります。
中小企業こそ、PLANから求人内製化する
求人業者がPLANに力を入れないのは、単に手を抜いているからではありません。
- すべてお任せでは進められない
- 時間もかかる
- 会社側の理解や判断も必要になる
- PLANを体系的に学べる場所もほとんどない
求人業者がPLANに力を入れにくいのは、手抜きではなく、丸投げ商品として売りにくい構造があるからです。
PLANと改善の力を、社内に残す
だからこそ、求人内製化の支援では、会社の社員がPLANを作り、結果を見ながら自分たちで改善できる状態を作れるようにサポートしています。
専門家からフィードバックを受けながら、社員自身がリサーチし、考え、判断する。そのPLANを求人として形にし、実際の結果を確認する。反応が悪ければ、もう一度PLANへ戻って改善する。
求人内製化とは、社員がPLANから改善までを回し、自分たちで求人をコントロールできる状態をつくることです。
そして実は、このPLANから改善までの9ステップメソッドは、調べる対象を変えるだけで、集客にもそのまま活用できます。次回は、その理由について詳しくお伝えします。
まとめ|求人の勝敗は、制作前のPLANで決まる
求人業者に丸投げできないPLANこそ、中小企業が社内に残すべき採用力です。
中小企業に必要なのは、制作だけを外注することではありません。PLANから社内で考え、改善できる状態をつくること。それが求人内製化の本質です。
求人内製化について詳しく知りたい方は、こちら から。
P.S.
僕が多摩美でデザインを学んでいたのは、今から25年以上前です。
改めて考えると、もうかなりのおっさんになっていてショックです(笑)。
先日、現在の卒業制作を見てみたのですが、昔と同じようにアート作品が並んでいました。
つまり今も、広告で成果を出すためのPLANについては、ほとんど教えられていないのだと思います。
求人業者のあり方も、大きく変わる可能性は低いかもしれません。
だからこそ、業者任せではなく、自社で学びながら求人内製化に取り組んでいきましょう。

















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