現在の日本は15〜64歳の生産年齢人口が減少を続けていて、やがては日本のGDPにも深刻な影響を与えると言われています。
この、人口統計に使われる「生産年齢人口」と似たような用語に、「労働力人口」があります。
労働力人口とは、15歳以上の人口のうち、就業者と就業していないけれど働く意思のある者の合計です。
労働力人口の推移について
(出典:総務省統計局)
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index.pdf
この労働力人口の推移を見てみると、2000年以降は2007年をピークに、2012年までは減少を続けていました。
そして2013年からは増加に転じ、2015年までは右肩上がりとなっています。
一見、人口が減っているのに労働力人口が増えているのは違和感があります。
しかし、生産年齢人口と違って年齢の上限がないことに加え、「働きたい」という人が増えていることが要因です。
労働力人口の人口比率を年齢別・性別に見てわかること
55〜64歳で0.9ポイント増加、35〜44歳で0.3ポイント低下。
⇒高齢の労働者が増えている
また、男女で比較してみると男性は7万人のマイナス、女性は18万人のプラス。
⇒女性の労働者が増えている
という、以上の2点がわかります。
働き手の減少をどうやって迎え撃つかの方策に、「女性や高齢者を積極的に採用する」というのがあります。
それが統計で実証されているわけですね。
しかし、生産年齢人口(15〜64歳)における労働力人口の比率は減少を続けていることも事実です。
ここ数年は増えているにしても、やがて減少に転じることでしょう。
高齢者の中でも比較的年齢の若い人が働いているので、その世代がもっとお年を召したら働けなくなるのは明らかです。
下の世代は人口がどんどん減っているのですから、労働力人口の減少は避けられません。
(出典・三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
http://www.murc.jp/thinktank/economy/analysis/tenbou/tenbou_150615.pdf
労働力人口の減少がもたらすGDPの低下
では、労働力人口の減少による影響とは何でしょうか。
働き手が減るのですから、生産も減ってゆきます。
高齢者の人口は膨らみ続けますので、その人たちを少ない働き手で支えなければなりません。
さらに、出生率の低下によって14歳以下の人口も減り続けています。
総人口に占める割合は2014年に12.8%となり、「次の生産年齢人口」の増加も期待できない状態です。
生産性が落ちるということは、日本の財政に深刻な打撃を与えるということ。
所得が減り、税収が減り、あらゆる物の維持が困難になります。
年金、医療など社会保障制度を維持することは、不可能となってしまいます。
この結末に待っているのは、GDPの凋落です。
経済全体の需要と供給の差を表す指標が「GDPギャップ」で、需要が供給を上回るとプラスに、下回るとマイナスとなります。
景気が改善してくるとGDPギャップはプラスへ振れます。
財やサービスの需要が増え、労働需要が拡大するからです。
逆に、景気悪化になると財やサービスの需要が減り、GDPギャップはマイナスに。労働需要は縮小し、求人市場は買い手市場となります。
GDPギャップは内閣府が四半期ごとに発表してきましたが、1990年前後のバブル景気と世界経済の拡大を示していた2000年代半ばを除き1980年度以降ほぼマイナスでした。
人手不足は景気にも左右されるわけで、雇用ギャップはGDPギャップとも連動しています。
特に2000年頃から実際のGDPは雇用ギャップと同じ動きを示すようになりました。
日本の実質GDP成長率は徐々に低下してきています。
ということは、雇用ギャップも低下しているわけです。バブル崩壊後、GDPはマイナス成長にもなりました。
労働力人口が減少する社会で勝ち残るための対策とは?
生産年齢人口の減少がGDPに大きな影響を与えているわけですが、そういった大局的な結果になる前に、私たちにとって切実な問題が、人手不足です。
つまり、求人問題の解決。
人手が足りない分、少ない従業員で今まで以上の生産性にして、所得安定と雇用安定に繋げていく必要がありますが、もう1つの方策は、求人手法の見直しです。
現在は、人材がほしくてほしくたたまらない企業が、血眼になって少ないパイを奪い合っている状況と言えます。
この争奪戦に勝ち抜くことが、解決策のもう1つの柱。
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