求人の成果の8〜9割は、実はココで決まります

前回は、AIにいきなり求人原稿を書かせるのではなく、リサーチやアイデア出しなど、求人で勝つためのPLANに使うべきだとお伝えしました。

では、最初にAIへ何をやらせればよいのでしょうか。

最初に行うべきなのは、ターゲット設定です。自社で採用できるターゲット候補を、すべて洗い出すことです。

結論から言うと、求人内製化の成果の8〜9割は、ターゲット設定(誰を狙うか)で決まります。

求人で成果が出ない原因は、ターゲット設定にある

応募が来ないと、求人原稿が悪いのではないか。採用LPのデザインが悪いのではないか。使っている求人媒体が悪いのではないか。と考える会社は多いと思います。

しかし、もっと根本的な原因として、ターゲット設定が間違っているケースが、非常に多いんです。

例えば、経験者を採用しようとしているものの、その地域には対象となる経験者がほとんどいない。若い人を採用したいものの、同じ地域の大手企業も、同じ若い人を好条件で募集している。

この状態で、求人原稿やデザインだけを改善しても、成果を出すのは難しいです。

どれだけ良い求人を作っても、狙っている人がいなければ、応募は来ません。

対象となる人がいても、競合他社の方が圧倒的に選ばれやすければ、やはり採用にはつながりません。

応募が来ないとき、最初に疑うべきなのは原稿ではなく、ターゲット設定です。

では、なぜターゲット設定がそれほど重要なのでしょうか。

ターゲット設定を間違えると、その後の作業がすべて無駄になる

ターゲット設定は、求人内製化をはじめ、すべての求人活動の土台になります。

誰を狙うのかが決まったあとに、その人について調べる。競合他社を調べる。自社の強みを整理する。伝えるメッセージを決める。求人原稿を書く。採用LPを作る。広告を出す。という作業へ進んでいきます。

つまり、最初のターゲット設定を間違えていたら、そのあとに行った作業を、すべてやり直すことになります。

  • リサーチ
  • コピーライティング
  • LP制作
  • 広告の設定

しかも、ターゲットが間違っていることに気づかないまま、求人媒体や広告へお金を使い続けることもあります。

これほど悲惨なことはありません。

求人を作り始める前に、ターゲット設定を慎重に決める必要があるんです。

ここで、AIが非常に役立ちます。

ターゲット設定では、まずAIに候補を全部出してもらう

会社の業種。募集する仕事内容。勤務地。給与や休日などの条件。未経験者を育てられるのか。社員寮や住居支援を用意できるのか。現在働いている社員の年齢や経歴。

こうした情報をAIへ伝え、ターゲット設定の候補を、できるだけ多く出してもらいます。

例えば、次のような候補です。

  • 同じ職種の経験者
  • 近い職種で働いていた人
  • まったくの未経験者
  • 地元で仕事を探している人
  • 県外から住み込みで働きたい人
  • 定年後も働きたいシニア層
  • 正社員経験の少ない人
  • 資格を取り、手に職をつけたい人

人だけで考えていると、どうしても「今まで採用してきた人」の範囲から抜け出せなくなります。

AIに可能性を幅広く出してもらうことで、これまで検討していなかったターゲットまで、候補に入れられるようになります。

ただし、候補を出しただけでは、まだターゲットを決めることはできません。

ターゲット設定では、メリットとデメリットまで整理する

候補ごとに、次を整理する必要があります。

  • 採用できる人数は、どの程度いそうなのか
  • 競合は多いのか
  • 自社の条件と相性が良いのか
  • 採用後に定着する可能性はあるのか
  • 採用するために、会社側で何を変える必要があるのか

例えば、未経験者は対象となる人数が多い一方で、教育に時間がかかります。

経験者は、すぐに活躍してもらえる可能性がありますが、対象となる人数が少なく、競合との条件争いになりやすくなります。

遠方の求職者を狙えば、全国へ対象を広げることができます。ただし、借り上げ社宅や家賃補助など、住居支援を用意する必要があります。

このような情報をAIと一緒に整理し、本当にそのターゲットへ切り替えるべきなのかを、じっくり検討します。

このとき、狙う相手を変えるだけで、競合がいなくなることもあります。

ターゲット設定を変えただけで、競合がいなくなることもある

以前、タクシー会社の求人で、地元の求職者だけではなく、全国のシニア層へターゲット設定を変えたことがあります。

一般的なタクシー会社は、地域を絞り、「タクシー 求人」と検索している人を狙います。ところが、このターゲットは、地域内の多くのタクシー会社が狙っています。一人の求職者を、何十社もの会社で奪い合う状態です。

そこで、「定年後も働きたい」「住み込みで働ける仕事を探している」というシニア層へ、ターゲットを変更しました。

「定年 住み込み」「寮付き 60代 仕事」といったキーワードで仕事を探している人を、全国から集める方法です。

当時、このターゲットに特化して募集しているタクシー会社は、ほとんどありませんでした。若い人を採用したい会社が多かったため、シニア層へ絞るだけで、競合がいない状態を作ることができたんです。

対象エリアは全国なので、地域内だけで募集するよりも、多くの求職者へアプローチできます。会社側で住居支援を用意する必要はありますが、それによって、今まで採用できなかった人を採用できるようになります。

狙うターゲットを変えるだけで、競合だらけの市場から抜け出し、自社が一番になれる市場を作れることがあります。

ここで大切なのは、AIが最初に出した答えを、そのまま正解だと思わないことです。

AIに正解を決めてもらうわけではない

AIに候補を出してもらう。メリットとデメリットを整理してもらう。別の可能性がないか何度も質問する。会社側で実現できる条件を伝える。さらに候補を絞り込んでもらう。

このように、AIと何度も壁打ちしながら、選択肢を増やし、比較していきます。

そのうえで、どのターゲットを狙うのか。会社側でどんな制度を作るのか。どこまで条件を変更できるのか。最後に決断するのは、会社です。

AIに求人を書かせる前に、自社が採用できるターゲットの可能性を、徹底的に洗い出す。

そして、今までと同じ人を狙い続けるべきなのか。別のターゲットへ切り替えるべきなのか。そこから真剣に考え直してみてください。

求人の勝敗は、原稿を書くよりも前に、誰を狙うかを決めた時点でほぼ決まっています。

まとめ|求人内製化の成果は、ターゲット設定で8〜9割決まる

求人内製化では、ターゲット設定(誰を狙うか)で、成果の8〜9割が決まります。

原稿やデザインを直す前に、ターゲット設定が間違っていないかを疑ってください。

AIには、考えられるターゲット候補を幅広く出してもらい、メリットとデメリットまで整理してもらいます。

ただし、最後に決断するのは会社です。

求人の勝敗は、原稿を書く前に、ターゲット設定を決めた時点でほぼ決まっています。

P.S.

ターゲット設定で今でも強く覚えているのが、新卒採用の求人を作ったときのことです。自分では、かなり良い内容ができたと思っていました。ところが、まったく思ったような反応が得られず、お客様からもかなり厳しく言われました。

新卒の方は、まだ社会人経験も職業経験もないため、仕事内容や条件だけではなく、会社の印象や雰囲気で選ぶことも多いんです。そのため、一般的な中途採用よりも、ターゲットの気持ちを捉える難易度が、かなり高いと感じています。

今でも、あのときの悔しさはしっかり残っています。

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ABOUT US
山本 猛
株式会社スタッフソリューションの代表。 1978年茨城県水戸市生まれ。 企業が求人を業者任せにするのではなく、自社で求人を理解・判断・改善し、コントロールできる状態をつくる「求人内製化」を支援しています。 求人で成果を出すプロセスを「9ステップメソッド」として体系化し、検索広告を求人に活用する「ジョブリスティング®」と組み合わせ、これまで300社以上の求人を支援してきました。