前回は、お金をかければ欲しい人材が採れるわけではない。まず、狙っている人材が市場にどのくらいいるのか、その母数を確認することが大切だとお伝えしました。
ターゲットを決めたら、次に必ずやってほしいことがあります。それが、競合チェックです。
結論から言うと、求人はゼロサムゲームなので、求人内製化では競合チェックが必須です。
求人では、ほかの会社との比較に必ず勝つ必要がある
例えば、あなたの会社と競合他社が、同じ一人の求職者を採用しようとしているとします。
その人が競合他社へ入社してしまったら、あなたの会社では採用できません。
つまり、求人では必ず、ほかの会社との比較に勝つ必要があります。
ところが、競合他社の求人をほとんど見ないまま、求人を出している会社が本当に多いんです。
これは、かなり危険です。
2番手、3番手の求人を出しても選ばれません
実際に求人を見比べてみると、同じような求人がたくさん並んでいます。
未経験歓迎。
アットホームな職場。
資格取得支援。
丁寧に教えます。
やりがいのある仕事。
どこかで見たような言葉を、ほかの会社も同じように使っている。
これでは、求職者から見れば、どの会社もほとんど同じです。
しかも、競合の方が給与が高い。休日が多い。知名度もある。そんな状態で、競合と同じような求人を出したところで、選ばれる理由がありません。
言ってみれば、すでに1番手がいるところへ、2番手、3番手として後から入っているようなものです。
それで「なぜ応募が来ないんだろう?」と悩んでも、当然と言えば当然なんです。
競合との違いが分からなければ、求職者は分かりやすいところで比較するようになります。それが、給与や休日などの条件面です。
条件勝負になれば、資金力のある会社や大手企業が有利になります。
中小企業が、そこへ真正面から突っ込んでいく必要はありません。
だからこそ、競合を調べ、どこなら自社が勝てるのかを考える必要があります。
競合は、同業他社とは限りません
ここも、非常に重要です。
競合というと、同じ業界の会社だけを思い浮かべる人が多いと思います。
でも、実際の競合を決めるのは、会社ではなく求職者です。
以前、新聞販売店の求人をサポートしたことがあります。全国から、住み込みで働ける正社員を集めようとしていました。
この場合、競合は、ほかの新聞販売店だけではありません。
求職者からすれば、「住み込みで働ける仕事」を探しているわけです。
そうなると、期間工などの求人も比較対象になります。しかも、期間工にはかなり良い条件の求人もたくさんあります。
そこを知らずに、新聞販売店同士だけを比較して「うちの方が良さそうだ」と思っていても、意味がありません。
実際の求職者は、もっと広い範囲で仕事を比較しているからです。
そこで初めて、「このまま条件で勝負しても厳しいな」ということが分かります。
では、どこで勝つのか。そこを考えることが、競合チェックの本当の目的です。
競合を知ることで、勝つための糸口が見えてくる
競合チェックは、他社を真似するために行うものではありません。むしろ、逆です。
競合が、誰を狙っているのか。何を強く打ち出しているのか。どんな条件なのか。
そこを確認して、自社はどこなら違いを作れるのかを探します。
例えば、競合がみんな若い経験者を狙っているのであれば、別のターゲットを狙えないか。
どこも条件面を前面に出しているのであれば、別の価値を打ち出せないか。
競合を知ることで、初めて、勝つための糸口が見えてくるんです。
ここでも、AIは非常に役立ちます。
ターゲットとなる求職者が比較しそうな求人を集めて、AIへ渡します。そして、条件面、どんな人を狙っているのか、何を一番強く打ち出しているのかを比較してもらいます。
そうすると、競合に共通していること。強い会社。逆に、どこもまだ打ち出していないこと。こうした違いが見えやすくなります。
以前なら、何社もの求人を一つひとつ読み比べて、自分で整理する必要がありました。今は、AIを使えば、競合リサーチにかかる手間をかなり減らせます。
だから、やらない理由はほとんどありません。
競合に勝てないなら、小手先で改善しない
競合を調べた結果、「このままではどう考えても勝てない」と分かることもあります。
でも、それでいいんです。求人を出す前に分かったのであれば、むしろ大きな収穫です。
ところが、競合を見ていない会社は、応募が来なくなると、文章を少し変える。写真を変える。媒体を変える。広告費を増やす。といった、小手先の改善を始めます。
でも、そもそも戦う場所を間違えていたら、何をやっても大きくは変わりません。
競合が強すぎるのであれば、ターゲットを変える。打ち出す価値を変える。会社側の制度を変える。もっと根本から考え直す必要があります。
求人は、自社だけを見て作るものではありません。
まとめ|求人を作る前に、必ず競合を見てください
求職者は必ず、ほかの会社と比較しています。
だから、求人を作る前に、必ず競合を見てください。
誰と戦うのか。相手は何が強いのか。では、自社はどこで勝つのか。
ここを考えずに、選ばれる求人を作ることはできません。
求人内製化では、競合チェックを飛ばしたまま求人を作らないでください。
求人内製化について詳しく知りたい方は、こちら から。
P.S.
競合チェックって、恋愛にも似ていますよね。
好きな人がいて、ライバルがイケメン。頭もいい。運動もできる。もう、普通に勝負したらとても勝てそうにありません。
だったら、相手と同じところで勝負するのではなく、自分はどこなら勝てるのかを考える。
話が面白いとか。すごく優しいとか。共通の趣味があって一緒にいると楽しいとか。
ライバルを知ることで、「じゃあ、自分はここで勝負しよう」という糸口が見えてきます。
求人も同じですね。競合を知ることで、自社がどこなら勝てるのかが見えてきます。
敵を知ることが、攻略のスタート地点です。
まあ、僕の場合はまず、競合を見る前に自分を磨けという話ですが。
















コメントを残す