求人で会社の魅力を伝えるときは、たくさん伝えるほど弱くなります

前回は、会社の特徴をそのまま並べるのではなく、その特徴によって求職者がどんな結果や変化を得られるのか。つまり、ベネフィットまで深掘りしてください、というお話をしました。

では、ベネフィットをたくさん見つければ、良い求人になるのでしょうか。

実は、それだけでは足りません。次に必要なのが、整理して、絞ることです。

結論から言うと、求人内製化では、魅力をたくさん並べるほど弱くなります。ターゲットが一番求める価値を、一つの強いアイデアに絞ってから伝えてください。

求職者は、あなたの求人を全部読んでくれません

自社リサーチをしっかり行うと、会社の魅力やベネフィットがたくさん見つかってきます。

そこで、よくやってしまうのが、見つけた魅力を、最初から全部伝えようとすることです。

でも、ネットで求人を見ている人は、一つひとつの求人を最初から最後まで、丁寧に読んでいるわけではありません。

スマホを見ながら、ほかの求人も見る。

LINEも来る。

SNSも見る。

いろいろな情報に、どんどん注意を奪われる。かなり注意力が散漫な状態です。

だから、求職者はまず、求人をパッと見て、「読むか、読まないか」を一瞬で判断しています。

ここで、たくさんの魅力を同じ強さで並べても、何が一番いい会社なのか分かりません。

たくさんの魅力を同じ強さで並べると、何が一番いい会社なのか分からず、次の求人へ移ってしまいます。

では、最初に何を置けばいいのか。

最初に必要なのは、一瞬で注意を引く一つのアイデアです

求人の最初で必要なのは、たくさんの情報ではありません。

短い言葉で、「え、それ何?」「自分に関係ありそう」と、一瞬で注意を引くことです。

イメージとしては、頭の中に、ビビッと電気を走らせるような、一つの強いメッセージを作ることです。

例えば、会社にこんな魅力があったとします。

  • 未経験から始められる
  • 資格取得費用を会社が負担する
  • 勤務時間内に勉強できる
  • 先輩が一から教えてくれる
  • 資格取得後は収入アップを目指せる

ターゲットが、定年後も働きたいけれど、未経験から始められて、収入もしっかり確保できる仕事を探しているシニア層なら、これらをバラバラに伝えるのではなく、例えば、

「未経験のシニアでも、働きながら資格を取得して、月収○万円を目指せます」

という一つのメッセージに集約します。

まず、この一言で注意を引くんです。

そして、続きを読み進めてもらったあとに、なぜ未経験でも大丈夫なのか。どんな資格を取れるのか。どうやって教えてもらえるのか。どのくらいの収入を目指せるのか。

最初に伝えた強いアイデアに沿って、それぞれのベネフィットを詳しく伝えていきます。

最初から全部伝えるのではなく、最初に一番強いアイデアを伝え、あとから詳しく説明する順番が重要です。

では、その「一番強いアイデア」は、何を基準に決めればいいのでしょうか。

一番強いアイデアは、ターゲットから逆算する

基準になるのは、会社が一番伝えたいことではありません。

ターゲットが一番求めていることです。

その人は、何に一番悩んでいるのか。

何を不安に感じているのか。

これから、どうなりたいのか。

何を一番手に入れたいのか。

そこを詳しく知ることが、何よりも重要になります。

そして、ターゲットが一番求めていることに対して、自社が提供できる複数のベネフィットを整理し、一つの強いアイデアに集約していきます。

会社が伝えたいことを押しつけるのではなく、ターゲットが一番欲しいものを、一番強く伝えます。

では、そのアイデアが、どれくらい整理できているか。一つの目安があります。

シンプルに言えないなら、まだ整理できていません

一つの目安になるのが、一言で説明できるかどうかです。

「御社の求人の魅力は何ですか?」と聞かれたときに、5分も10分も説明しなければ伝わらない。これでは、まだ整理できていません。

求職者が、こちらの説明をそこまで丁寧に聞いてくれることはありません。

最初の一瞬で、「おっ」と思ってもらえる。

「これは自分に関係ある」と感じてもらえる。

その状態を作る必要があります。

だから、ベネフィットを見つけたら、次は、削る。まとめる。絞る。そして、一瞬で理解できるところまでシンプルにする。

ベネフィットを見つけたら、次は削る、まとめる、絞る。一瞬で理解できるところまでシンプルにします。

ここまでやって、初めて、求人で使える強い材料になります。

この整理の作業でも、AIはかなり使えます。

AIは、大量の情報を整理するのが得意です

自社リサーチで出てきた、特徴やベネフィットを全部AIへ渡す。似ているものをまとめてもらう。

さらに、ターゲットの情報も伝えて、「この人が一番価値を感じるのはどれ?」と、候補を出してもらう。

AIは、大量の情報から、共通点を見つけたり、整理したりする作業が非常に得意です。

ただし、AIに最終決定を任せるわけではありません。

本当にターゲットがそれを求めているのか。本当に自社でそれを提供できるのか。これまで集めた情報をもとに、最後は会社側で判断します。

最終決定はAIに任せません。集めた情報をもとに、最後は会社側で判断します。

求人原稿を書く前に、まず自社の魅力をたくさん掘り出す。そして、ターゲットが一番求めている価値に合わせて、一つの強いアイデアへ集約する。さらに、それを一瞬で伝わるところまでシンプルにする。

ここまでできると、求人で何を伝えるべきなのかが、かなり明確になってきます。

ただし、まだ一つ、大切な材料が足りません。どれだけ魅力的なことを伝えても、「本当なの?」と思われたら、求職者は動いてくれません。

そこで必要になるのが、そのベネフィットを裏付ける証拠です。

まとめ|魅力は絞るほど強くなる

求人内製化では、魅力をたくさん並べるほど弱くなります。

求職者は求人を隅々まで読んでくれません。だからこそ、ターゲットが一番求めている価値を、一つの強いアイデアに絞り、最初に伝えてから詳しく説明する。

削って、まとめて、絞る。一瞬で伝わるところまでシンプルにすることが、求人の強さにつながります。

求人内製化について詳しく知りたい方は、こちら から。

P.S.

これも、恋愛に似ていますよね。

片思いしている相手がいて、ライバルが、イケメン。頭もいい。優しい。高身長。もう、総合力ではとても勝てそうにない。

でも、相手が一番求めていることが分かれば、勝負できる可能性はあります。

例えば、その人が、「一緒にいて心から笑える人がいい」と思っているのであれば、そこに対して、自分は一番価値を出せるかもしれない。

相手が一番求めているところに、自分の強みを集中させる。求人も同じです。

全部で勝とうとする必要はありません。ターゲットが一番求めているところで、一番魅力的な存在になる。

そこを見つけることができれば、イケメンで、頭が良くて、優しくて、高身長のライバルがいても、選んでもらえる可能性は十分あります。

まあ、そんなライバルが出てきたら、僕だったら普通に心が折れそうですが。

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山本 猛
株式会社スタッフソリューションの代表。 1978年茨城県水戸市生まれ。 企業が求人を業者任せにするのではなく、自社で求人を理解・判断・改善し、コントロールできる状態をつくる「求人内製化」を支援しています。 求人で成果を出すプロセスを「9ステップメソッド」として体系化し、検索広告を求人に活用する「ジョブリスティング®」と組み合わせ、これまで300社以上の求人を支援してきました。